2018年3月31日土曜日

春到来です

  早いものでもう3月も終わりになりました。ここしばらくでめっきり暖かくなって近場の夙川公園の桜も満開です。
  大阪での日本循環器学会は盛況で、企画も外科の会長ならでのものが多く、招聘講演者では、心臓外科のGiantsである英国のSir Magdi Yacoubと カナダのPorf. Daivid Tirone Davidの講演が連続してあるなど、心臓外科医にとっては驚きの連続でした。

 臓器医移植法制定後20年の記念パネルも出ていましたので一部を紹介します。

 私が特別発言の許可を得たセッションは、成人先天性心疾患の術後の問題をテーマにしたもので、発言内容は成人先天性心疾患に対する究極の心不全治療としての心臓移植でした。わが国ではまだ3例しか行われていないのですが、ドナー不足のわが国ではとても機会が回ってこない厳しい状況にある疾患群です。国際データー、わが国の現状、そして対策、という話です。国内対策は、まずはドナー不足の解消ですが、一方では心臓ドナーの配分方法の見直しも重要で、その為には、成人先天性心疾患のデーターベースと共に、臓器移植ネットワークの心臓移植待機中の死亡例の分析が必要であることを述べました。また、補助人工心臓の応用についても質疑があり、フォンターン術後不全では両心補助が必要なことが多く、それこそ完全置換型人工心臓が理想ですが、現実的ではないのはあきらかです。他の心不全でよく使われている左室補助装置での応用に道を開くべきと考えられます。九州大学からの報告もあり、今後注目される話題でしょう。
 
 ウインターシーズンといえばスキーですが、整形外科の先生方のお陰で無事復帰、ということでした。安比での心臓血管外科ウインターセミナーを皮切りに、大山、福島、そして野沢温泉での全関西学生スキー選手権大会、と続き、最後は再度岩手の安比高原で締めとなりました。幾つか写真紹介します。

 全関西学生スキー選手権大会は88回を迎え、野沢温泉で開催。母校は見事一部残留。10ある一部校には名古屋、九州、大阪、京都と国立大が4つも私学の雄に交じって頑張っています。



後は安比高原の春?



さて、このブログも最近は何度か休止になりかけていたのですが、やはりそろそろ潮時かと感じます。タイトル負けをしてネタがなくなってきたこともありますが。ということで一旦お休みということにさせてもらいます。長年にわたりお付き合い頂き、励ましていただいた多くの方に心より感謝申し上げます。

 



 

2018年3月21日水曜日

明日から日本循環器学会が大阪で始まります


 しばらくご無沙汰でした。ピョンチャンボケではないのですが、私が役員をしている全関西学生スキー連盟の今年の選手権大会が野沢温泉スキー場であり、それに出かけていたりして投稿が止まっていました。再来年には第90回を迎える歴史がある大会でありますが、関西勢での競技スキーへの関心が弱くなっている中、何とか参加選手を確保し参加校も男女合わせて70ほどになり盛会でした。阪大はノルディック(クロスカントリーとジャンプ)が頑張って、というか国立大学で得点を得る(上位15位までポイントがある)のはここしか無いというのが実情ですが、無事一部残留でした。写真見てください。一方で、関西の私学の雄であった大学が二部に落ちるという信じられないことも起こってきていて、一部10校中4つが国立大という事態です。連盟会長としては喜んでいいのか複雑な所です。
さて、明日から日本循環器学会が大阪で始まります。会長は阪大心臓外科の澤教授で、久しぶりの外科医の会長で、しかも大阪なので盛り上がっているようです。私も会長の同門ということで、海外からの招請講演の座長が3つもあり、おまけに成人先天性心疾患の外科セッションでの特別発言と、久しぶりに充実した学会参加になります。全部英語のセッションなので、錆びついた英語でどうなることかと心配半分、楽しみ半分です。
ということで、学会での私の関心事は、やはり心臓移植と成人先天性心疾患、という最近の定番的な所になるようです。心臓移植は法律制定20周年記念の鼎談では、外科は川島先生、小柳先生と大御所がお出ましで、私は成人先天性心疾患のセッションでの話になっています。このセッションでは、昨年に頑張って投稿した成人先天性心疾患の移植症例報告と総説の内容がらみのもので、7分ですがわが国で今後度したらいいかを訴えるものです。ドナー不足解消しか成人先天性心疾患患者への心臓移植は現実的ではないのですが、それでは待機患者さんに申し訳ないので、今の臓器配分システム(優先順位)を科学的観点からの分析評価をして、不公平の所があれば直していくべし、というメッセージを出すつもりです。循環器学会で訴えることに意義があると思うからです。
もう一つは専門医制度で、循環器学会が関連する制度、特に外科系との連携についての委員会が開かれるようで、成人先天性心疾患専門医についてもアッピールする良い機会になりそうです。専門医機構が基本領域だけで紋々としている中で、サブの上の3階建て構想について進めるにはそれなりの準備と説得力が要るわけです。その意味から、基盤の2階の主たる分野である循環器専門医制度のお墨付きが大事で、学会中に関連学会のお偉方に説明する機会があり、学会理事長が出られる予定です。
といったことで、明日からの学会を楽しみたいと思っています。澤会長はiPSや再生医療はもとより、大阪(浪速?)のおもろいところ(わろてんか?)を前面に出した種々の企画もあるようで、また報告します。
最終のリレーが終わった後の阪大スキー部の現役、クロスの選手、とOBです。女子も初めてリレーに登場。OBでは私の同期生も久しぶりに来てくれました。