もう2月も終わりに近づいてます投稿します。新型コロナウイルス問題についていつ書こうかと様子を見ているうちに局面は大きく変わって来ました。遅ればせながら書かせてもらいます。
新型コロナウイルス(COVID-19)が蔓延しつつある我が国おいて、我々の抱える医療における問題が改めて浮き彫りになったと思っている。自身年末は東南アジア,1月末からは欧州の渡航歴がある中で、先週より風邪にかかっていて、行動はかなり自粛している。ただ、発熱もなくもう下火になってきたのでひと一安心と言うところですか。
COVID-19については中国での発生から注目しているなかで、クルーズ船の問題が起こった時から,いろいろ言いたいことが出ていたのですが、ここ数日で国内での対応の問題が明らかになってきたので、自分なりに纏めてみたいと思います。後出しジャンケンみたいですので、ポイントを分かりやすくするために項目のみにしておきます。
1) 国際的感染防止対策における水際作戦は重要だが、こと中国が震源地であるのに武漢市以外を容認した甘い国の判断。観光客が減ることへの懸念といいながら、返ってこれを増悪させ長引かせてしまった。
2) 感染防御と対策に厚労省(お役人)が仕切っていて、感染専門家はTV新聞のコメンテーターで終わっている。国立感染症研究所の顔が表に出ていない。ことが進むと言い訳がめ煮付き、対応も後手に回っている。 米国のCDCを見習った組織を緊急設置するくらいの危機管理が必要であるが、予算委員会でこのことも質問があったが、回答は前向きではなく、しっかり遣っている、国にまかせなさい、という役人的考えが続いているのは誠に残念である。
3) 感染者が出たクルーズ船対応では、最初の検疫対応(quarantine)は妥当であったが、3000人以上の乗船者(乗組員も1000人)をまさに培養船としてしまったわけで、早急に次の策を考えないといけないのは分かり切っているのに漫然と14日という観察期間に責任転嫁をし、船内Out-Breakを起こしてしまった。
我が国の感染症研究者(専門集団)はこのクルーズ船の感染の蔓延について,早急に疫学的・科学的に検証して、著明な国際誌(LancetとかNEJM)の発表することが重要な責務であることをあえて書かせてもらう。これがなければそれこそ国際的に糾弾されテおかしくない。
4) もう市中感染が多発しているのに、次の策が見えて来ないので社会は混乱して来るし、他国では14日の更なる隔離を行っているのに、我が国では陰性下船者を何ら制限なく(国の)自宅に返すという矛盾した判断を、国立感染研が容認したことも議論を呼んでいる。
5) こういった多くの問題をさらけ出した我が国の感染症対策は,一言でいうと失礼ながら危機管理という面では国際水準ではなく、縦割り行政を打破する米国CDCに準じ行政的判断も出来る専門組織を作ってこなかった付けが今に来ている。報道上ではあるが、国会での感染プロ集団(感染研、学会)の御用学者的存在は誠に残念である。
6) 医療機器についても米国FDAに習って我が国もPMDが随分進化したが,いまだラグは続いているし、無駄な治験も消えていない。かかる我が国の医療における行政主導の弊害は今回の感染症でも浮き彫りになったといえるのではないか。
7) 最後に、感染症対策では
standard precaution(標準予防)「施設内で感染があるかないか検査結果に頼るのではなくにすべての対応患者さんは感染の病原菌やウイルスを保持していると仮定して対応すること」が基本であることを改めて感じた。
COPVID-19のOut-Breakが国内(船外)で起こらないことを切に願っています。