前回の新型コロナウイルス感染についてコメントした後は沈黙していましたがもう3月も終わりになってしまいました。その後、パンデミック宣言もあり、未曾有の混乱が世界中に起こっているなか、我が国はオーバーシュートを避けて何とか乗り切ろうとしています(3月末)。東京オリンピックも1年延期が決まりましたが、この新型コロナウイルス感染蔓延が何時収束するのか、ワクチンがいつ開発されるのか、世界経済が1年でどこまで回復するのか、先行きは不透明なことばかりです。
Tokyo 2020オリンピックでは、WHOがパンデミック宣言を出した後、直ちに延期する宣言を首相はすべきであったと「思います。この3月から国内はもとより海外の学会も軒並み中止や延期となり、学会や行政関係の会議もしかりで、手元のカレンダーは3月から向こうは真っ白の状況です。正に異常事態です。そういう中で宿題の論文作成には集中出来るという皮肉なことにもなっています。
さて、新型コロナウイルス関係ではわが国の対応にはいろいろ外野席からの意見はありますが、ポイントだけにしておきます。
① 国のトップは東京オリンピックをしばらく脇に置いて、新コロナ対策にすべてをかけるべきである。
② 国としての危機管理体制を再度組み替えさらに強化すべき。
③ わが国で危機感が薄い原因は何か分析し、口先だけでない対策を。
④ 情報発信については国、自治体の危機管理部門が主導し、報道ではNHKはBBC,CNNを見習って国を守るという責任感、危機感を持って報道に専念すべきである。今回の騒動で、NHKの専門報道を見ていれば安心できる、という国民の信頼を得るよう一層の取り組み強化を。
⑤ 政府の危機管理対応も、ニュージーランドの首相のメッセージにあるようなステージによる危機管理把握と国民への具体的周知を考えるべき(これまでの大水害での経験がいかされていない)。
⑥ 多くの感染症専門家たちがワイドショーでいろいろ意見を述べているが、混乱と不安を招いている報道に加担していることを自覚し、純粋な報道番組以外は出演を断るべきである。
⑦ 医療危機が迫っている中で、病床確保が難しいことが明らかであり、この国家的危機にあたっては、まず全国に沢山ある国立病院(今は機構)が感染者対応で緊急的役割を果たすよう国は至急検討すること。
⑧ スタンダードプレコーションの概念を国民に知ってもらうこと。
最後に、一医師として不甲斐なく思っていること。世界ではNEJMやLancetに新型コロナの新しい医学的情報が毎週のように出ているが、わが国からの世界に向けた医療現場からの情報発信は皆無ではないか。クルーズ船もしかり、一体どうなっているのか。医学的な危機管理では考えないといけない重要な問題である。もし、日本医事新報にそういう記事があるなら、英文で投稿してほしい。もし、私の不勉強なら謝りますが。