2014年3月31日月曜日

循環器学会 その2


 前回の宿題であります、循環器学会心臓移植セミナーについて少し紹介しておきます。なお、詳細は日経メディカルの最近のウエブ版に、「日本人の心臓移植、2013年の実績は41人と過去最高に補助人工心臓の位置づけを見直す議論も必要」と紹介されています。http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/gakkai/jcs2014/201403/535581.html
このセミナーは日本循環器学会が我が国の心臓移植のレシピエントの元締めの機関で、特に適応判定において公的な審査機関になっていることから、毎年実態の紹介がセミナーでまとめて行われている。また、普及啓発の役割も大きい。今年はもう10回目であるが、法律が変わって脳死での臓器提供が実質的に増えた昨年度のまとめであり、また植込み型補助人工心臓の保険適応(心臓移植へのブリッジのみ)も始まったことで、新たしいステージになったことから、注目されている。会場はやや狭いところではあったが、会場に入れない方もおられるくらい盛況であり、関心の高さを示していた。
上記の紹介にあるように、心臓移植はもうすぐ50例に届きそうな勢いであるが、その一方で待機登録も増えて300例に達している。待機期間は減少する傾向にはなく、依然として3年近く、殆どが補助人工心臓からの移植である。また、登録患者さんの年齢層が上がってきて、ピークは50歳代というのも特徴である。それは、幹事の岐阜大西垣先生によれば、まず補助人工心臓装着のための登録が増えているためではないかという。発表の中でも、サブタイトルのように補助人工心臓についてのリーダー施設である、東京大学、国立循環器、大阪大、そして東京女子医大から現状の紹介があった。植込み型の管理も良くなって、成績は向上してきて、永久使用に匹敵するという見方もあるが、一方では年齢が高くなって合併症への反応が弱るのかどうか、植込み早期に合併症も多い傾向にあるともいえる。私は、フロアーから、移植適応年齢が上がっていることや将来の永久使用を考えると、高年齢層への植込み型の課題もあるのでは、と指摘させてもらった。
最後に、日循の心臓移委員会の委員長である、磯部東京医科歯科大教授から特別発言があった。その要旨は、ドナー不足についてであり、先の日経メディカルによると、2009年の国民100万人当たりの年間心臓提供数ではオーストラリアが8.6人、米国が7.3人、ベルギーが6.1人などという中で、日本は0.37人と極端に少ないのが現実だ、と紹介されています。下記の心臓移植研究会HP資料参照。 一方、臓器提供全体の数の方がインパクトがあるかと思いますが、その数では2004年には米国は人口100万あたり年間約25人で、欧州は殆どが10を超えています。日本は1以下でです。欧州移植機構の資料も添付します(http://www.eurotransplant.org/   2012)
いずれにせと、ドナー不足をなんとか改善しないと我が国の心臓移植には限界があることを訴えておられ、6月には学会としては異例ではあるが、ドナーアクションの公開セミナーも企画されている。
最後に、自分なりの感想をフロアーからの一般循環器内科医の意見を聞いてまとめる。心臓移植は確かに尊いドナーの善意に依存し、その臓器を誰に移植するかは倫理的にまた社会的に疎かにできないことであり、それを所掌している学会関係者や選ばれた移植実施施設は大きな責任がる。しかし、学会や施設側と一般の循環器関連の医師との間になにかしら壁が存在しているように感じられる。言い換えると、まだまだ一般の循環器診療と心臓移植の現場のギャップが大きいということではないかと感じる。学会関係者は大変苦労をしているが何かしら上から下への目線になっていないか、気になるところがある。このギャップを埋める上でも植込み型補助人工心臓がもっと普及されていくべきと感じた。

ということで、25年度も最後になりました。4月から心機一転、医療事情の紹介に努めますので今後ともお付き合いください。

見にくいですが,欧州の国別臓器提供数です。下の数字は人口100万当たりの年間提供数で、クロアチアが34.3,ベルギーが29.0,ドイツは12.5(2012年)です。なお、ここにはフランスとかスペインは入っていません。スペインは30以上を維持してこれまで世界のトップでした。この集計全体では人口総数1億3千万で提供総数は約2000です。日本の人口は幾らでしたか? 日本の臓器提供数は年約50です。人口はあまり変わらないのに欧州は提供数が40倍です。


2014年3月25日火曜日

 日本循環器学会

 先週の後半は東京で第78回日本循環器学会が開催されました。東京大学循環器内科教授から現在は自治医科大の学長の永井良三先生が会長です。有楽町の国際フォーラムが主な会場でしたが、何しろ世の中は春休みの3連休であり、新幹線や東京駅はごった返してました。学会での発表や司会などの役割は何もないのですが、会議を一つ入れたのと、専門医資格の更新のための学会出席登録が主な目的でした。   
  専門医は、外科、心臓血管外科、そして循環期内科、の3つを持っていたのですが、外科専門医と心臓血管外科専門医は連動していて過去5年間の手術参加症例が100例を満たさないと更新できなくなり、昨年に両者は終わりました。ただ、循環器専門医は維持したいので、学会出席単位取得のために参加したと言っても良いくらいです。勿論、いくつか興味ある講演やデイべートセッションは参加してきました。何しろ内科の学会ですから心臓血管外科のセッションもあるにあるのですが、限られています。心臓外科医も沢山来ていましたが,多くは専門医更新のための出席では、と思われました。学会出席といてもお金を払って参加証をもらい、専門医受付のところで手続きをすれば単位(全部ではありません)をもらえるのですから、ある意味形式だけのものです。新しい制度での更新要件についても何らかの踏み込んだ内容を伴う単位認定が求められるのではと思います。
    海外からの沢山の招請講演がありましたが、マルファン症候群の話に興味があったので聞いてきました。マルファン症候群は血管壁の構成成分(結合織)を作る遺伝子の異常によるもので、遺伝性で、大動脈瘤,特に解離性大動脈瘤を来しやすい特徴があります。長身で手足が長いなどの特徴ある外見と血管異常があり、リンカーン大統領がこの病気であったのでは言われています。大分以前ですが、米国から来ていた有名なバレーボールの女子選手(背が高い)が試合中の倒れて死亡しました。米国で遺体を解剖したら解離性大動脈瘤の破裂であったということで、同選手はマルファン症候群であったのではと想像されます。
    マルファン症候群は遺伝性ですが、原因遺伝子の異常(フィブリリンやある種の癌抑制遺伝子)も明らかになり、血管作動ホルモン受容体の拮抗薬(ロサルタン)や癌抑制遺伝子異常(TGF-β)のタイプではその蛋白異常をターゲットにした薬物治療(予防)も進んでいます。今回の演者は、マルファン症候群の亜型とも言われているLoeys Dietz(ロイス・ディーズ)症候群の発見者であるDietz博士でした。マルファン症候群について基礎から臨床へと大変わかりやすいまた最新の知見を示した素晴らしい講演でした。異常蛋白を標的にした予防的治療の進歩も目覚ましいことが分かりました。大動脈瘤外科に関与する心臓血管外科医として一つ勉強になったことがあります。この症候群の女性が妊娠出産した時には血圧が上がったり下がったり変動するので、破裂の危険が知られています。博士の講演では、マルファン症候群マウス(ちゃんと出来ているのです)の実験で、出産した後に子供に授乳させる群とさせない群に分けると、授乳群で高率に解離が起こって死亡するというのです。授乳に関するオキシトシンというホルモンが関与するということも突き止められていました。臨床では実際に出産後に解離が生じて死亡することも分かってきたそうです。マルファン症候群の患者さんで出産がすんで安心したらいけない訳ですが、赤ちゃんを乳母さんに預けることも出来ませんから、オキシトシンの分泌を抑えながら注意深く経過を見る,ということが求められるようです。講演の内容を全て正確に聞けたか怪しい所もあるかもしれませんが、その場合はお許し下さい。  

  学会中にあったセッションで紹介したいのは、同学会心臓移植委員会主催の第10回心臓臓移植セミナーです。今回は、「ネットワーク登録と補助人工心臓使用の現状と問題点」、でした。この話は次回にします。

2014年3月16日日曜日

STAP 細胞、その後

    大変なことになりました。先に、上っ面だけのコメントを書きましたが、こんな問題が直ぐさま出てくるとは想定もしていませんでした。理研やハーヴァード大などの権威のあるところからですから、すっかり信用してしまいました。軽々に私などがコメントをしたことに反省しています。
  昨日の理研の記者会見はノーベル賞受賞者が謝罪して頭を下げるという前代未聞の記者会見になってしまいました。まだその存在が否定されたのではないにもかかわらず、かなり灰色というよりほぼ黒と、いう感じの会見だったと思います。小保方さんを未熟な研究者と決めつけておられましたが、著名なシニアーの研究者がいながらどうしてこうもひどい論文が作られたのか、信じがたい気持ちです。色々言われているように、複数の研究機関や大学が複雑に絡み合っての結果かと思われますし、大学のように教授が最終責任を取る、という形態ではないところに落とし穴であったのかもしれません。
   一方では、科学研究のマスメディアの取り上げ方にも課題を残したと思いますし、発表側の作法のようなところもこれから注目されるのでは思います。NatureやScienceに論文が採用されるのは個人の業績としては最高の部類で、その後のキャリアーに大きく影響しますし、その研究機関のステータスも上げます。研究費やポジション、といったところに影響する訳ですから、その発表も粛々と行う、ということが基本ではないかと思ったりします。Nature やScienceにアクセプトされて電子ジャーナルで出る、という段階での発表の仕方や、新聞の取り上げ方にも変化が出てくるかもしれません。   
 これ以上のコメントは出来ませんが、神戸の医療産業都市クラスターにとってはかなりの痛手になるのではと心配です。国家戦略特区選定に影響しないことを願っています。研究成果の真偽や論文取り下げなど、まだ分からにところが沢山ですが、小保方さんにはここはしっかり踏ん張って難局を乗り切って欲しいと思います。

2014年3月14日金曜日

野沢温泉と関西インカレ


 冬になるとどうも雪絡みの話になってしまいますが、今回は長野県は野沢温泉スキー場のことで書かせてもらいます。今週は日曜日(9日)から、全関西学生スキー選手権大会(関西インカレ)が野沢温泉で開催されていました。第84回ですから、全日本学生(インカレ)に遅れること数年で開催されています。昭和3年に神鍋で開催され21回から野沢温泉に移り、その後一時は大山で行っていましたが、最近は赤倉と野沢で2年ごとに交代で行っています。その間、昭和19年から21年は戦争で中断していますが、オリンピック選手も輩出している歴史と伝統のある大会です。関西といっても、東は中部地区から西は九州までカバーし、男子は1部10校、2部26校、女子部も昭和40年に始まって今は26校が参加しています。例年3月の上旬に開催されていますが、私はこの10年ほどこの組織(関西学連)の顧問(医療担当)をしていたのですが、最近は副会長を仰せつかっています。役目ということで大会には毎年出ている状況です。大っぴらにスキーに行けるということでもあります。因みに、私自身は阪大スキー部(体育会)でアルペンとジャンプをやっていたのですが、主に2部校ですからそれなりに易しいコースとかジャンプ台での話です。入学したときは阪大は長らく2部だったのですが、私が2年の時に2部で優勝し、1部昇格したのですが、1年で2部に戻ってしまい、1部の壁の厚さを思い知らされたのを思い出します。当時は医学部の学生が多く、先輩の中にその後阪大医学部法医学講座の教授になった若杉長英先生(今は故人)がおられ、お前はジャンプをやって一部で得点を取れ、と言われたのが懐かしいです。スキー部とは顧問ということで長らく関わって来ましたが、今は阪大医学部の依藤教授(スキー部OB)にお願いしています。

今年は3月に入っても真冬並みの天気が続き各地が大雪で困っていましたが、野沢温泉はおかげで十分な雪があり、しかも気温が低く良いコンデションでした。最終日を待たずに帰ってきたのですが、好天に恵まれ、上の平というゴンドラで上がるゲレンデまで足を伸ばしてきました。といっても、役員と医療班を兼ねているので、試合が終わった後に少し滑る程度でしたがそれで十分でした。野沢のいいところは当然ながら温泉でして、外湯が沢山あって、それぞれ特徴があり湯めぐりが楽しめます。今回は5日おりながら外湯は一度だけでした。スキーと温泉の組み合わせが出来ることもこの関西インカレのいいところでしょう。

関西インカレは20回から二部制になり、当初1部は6校でしたが、現在は10校で、阪大スキー部は私が現役のころに先に紹介したように1部に上がった後は2部が長かったのですが、60回大会前後から1部の常連校に入って活躍していた時期もありました。雪国出身者が少ない国立大では1部ではアルペンでは歯が立たず、クロスカントリーとジャンプで頑張らないと得点が稼げないのですが、京大や阪大、最近は名古屋大もジャンプで得点を上げて1部に残っている状況です。因みに110校中、国立大学が3校あるということは、私学の嘗ての有力校も選手層が薄くなっているということでもあります。阪大は平成18年に後一歩で1部優勝(総合優勝)まで行ったのですが、近畿大学の連覇を食い止める事はできませんでした。国立大学が優勝となればビッグニュースだったのですが。その後も頑張っていたのですが昨年2部落ちの苦痛を味わいました。幸い今年は少ない部員ながら頑張って最終日前で2部優勝がほぼ確定し、来年は1部返り咲きです。昨年1部昇格した九州大学と入れ替わるようです。

野沢温泉村はスキーのメッカとして広く知られ、国際的にも人気があり、今回も海外、特に欧州の方が沢山こられていて、役員本部の旅館の方は英語が話せるので何人か海外の方も滞在しておられました。野沢温泉は長野オリンピックではバイアスロンの会場でした。また、片桐、富井、河野、森、などスキーの名選手を今も送りだしているお家が沢山有り、苗字だけでは話がつながらない世界です。野沢温泉スキー学校が大会運営にあたってくれていますが、ベテランぞろいで慣れておられ、安心して大会ができました。感謝です。

ということで、医療事情とは無関係な話ですいませんでした。大会の開会式とジャンプ台、上の平の樹氷などの写真も紹介しておきます。温泉とスキーを楽しまれる方は是非野沢に行かれてください。




2014年3月1日土曜日

  専門医制度と第三者機関


 昨日は私が理事をしている日本専門医制度評価・認定機構の臨時理事会と社員総会があった。この機構は四半世紀に渡って我が国の認定医や専門医の制度作りを担ってきたが、その大きな役割にも幕が下ろされることになった。というには、長らく学会主導で進めていた専門医に関する仕組みが、2004年に政府の規制緩和から広告できる制度に変わり、それから10年弱で大きな見直しをすることになった。その趣旨は、外形基準という枠組みをクリアーした制度を国が認める(広告できある)ということで返って混乱し、いろいろな専門医が学会という団体の存続や会員確保という思惑で乱立してきたことにある。このような危機感から、学会が仕切るのではなく専門領域で専門性を決めて、かつそれを認定するのは当事者ではなく第三者機関で行う、という方針を現在の機構が出したのが4-5年前である。これに厚労省は積極的に乗ってきて、これを機会に制度作りに国がより関与し、医師の配置を管理して行こうという考えであった。しかし、地域医療における医師確保を専門医の研修施設指定や認定の仕組みに入れようという思惑は学会(医師側)からの猛反対で消え去った。地域医療や医師の配置に専門医の制度を使うのはもっての外ということであった。厚労省も及び腰になったが、今の機構のスタンスとしては専門医研修(育成)については国民目線で考え、地域医療の確保にも配慮し、医師の不適正な配置を助長させない仕組みを作るとして、研修プログラム制の導入を決めてきた。
それまでは良かったが、その後が問題を引き起こした(と私は思っている)。今の専門医機構は学会主導であるからもう仕事は止めて、新しい専門医の認定や評価を扱う第三者機関が作られることになって、先般その具体的な内容が公表された。3月1日で新たな一般社団として登記するまで進んでいる。何が問題かというと、これは学会や医師側のエゴではなく、仕組み作りの根幹に関わる思想の問題であると思っている。今までの学会主導は悪いから第三者(中立的)でやるという、いわば実態からかけ離れた空論に自ら惑わされたのである。というのは第三者機関が新しい日本専門医機構として立ち上げることになり、その準備委員会が立ち上がったが、その中に日本医師会やいくつかの既存の病院関係団体がはいり、日本医学会が主導して組織作りが進んだ。私の所属する今の機構も池田理事長が組織代表で入っている。そして、定款ができ、発足時の社員(議決権がある)には学会関係ははいれないということで、日本医学会、日本医師会、そして全国医学部病院長・学部長会議の3団体で始めることとなった。設立後の社員としては、あまり馴染みのない二つの医療研修や医学教育の公益法人が入ることとなった。ここで注目すべきは、日本医師会や一時名前が挙がっていた病院関係の団体は何ら第三者ではなく、医師の確保では利益相反があり、特に今まで専門医制度に反対して来たのが日本医師会である。学会はダメという呪縛に振り回されて、実際の専門医制動作りで頑張ってきた学会は執行部の蚊帳の外において、実務はしっかりやってもらう、という仕組みである。自己矛盾である。
今の機構も、第三者機関設立の内容には口出しできない雰囲気ができてしまって、新機構の組織委員会からは報告程度であり、現機構の組織としての意見は出せないままで上意下達式に、まさに寄らしむべし知らしむべからず、方式である。医師の原点としてやってはいけないことである。先月の社員総会で上記の社員構成が紹介された。このような不可解なことが分かってきて、各学会は新機構の意思決定機関である社員に学会を入れろ、そうでなかったら参加しないことも有りうる、という強行意見が出された。その後、新機構の執行部もこの要求に折れる形で、何とか軟着陸させるということになり、昨日の臨時理事会と社員総会で事が決まった。今のこの機構の社員は総数85(学会がほとんど)あるが、基本領域の18と新たに出来る総合診療専門医を加えた19団体を新機構の社員に入れる案が議論された。結論としてこの要求を新機構の準備委員会である組織委員会に機構の機関決定で提案することに決着した。学会ではなく何らかの集団とすることであるが、曖昧な話である。学会という文言はダメという金縛りに自ら落ち込んでいるが、周囲からしたら猿芝居になるのではないか。第三者、中立、といっても国民目線の団体は入っていないことも不思議である。
前にも書いたが、世に第三者機関というのが盛んに出てくる。何が第三者か、世論への言い訳や、看板倒れもあるのではないか。専門医制度改革でも今はしまった、もっとほかの方法があったのではと反省している向きもある。というのは専門医資格を取っても、待遇が変わるわけでもなく、個人の時間とお金の負担ばかり増えて、得るところはあまりない。まだ先が見えてこない。厚労省も医師の配置での関与は薄れてしまっている。迷惑するのは若い医師では困る。米国の制度を見習おうとしたが、表目面だけに終わらなければいいが。
まあ、機構の理事もこれで終わることになり、新機構には関与する歳でもないので、好きに言わしてもらっている。理事会でも同様の物言いをしているが、物事を決めていく筋道を少し間違え、ボタンの掛け違いをやると、あとで修復するのに大変な時間と労力がいる。もう1年でもじっくり構えて、これから20年先の医療を担う若手医師の育成と医師の生涯教育を充実させるために英知を集めるべきではなかったか。時間に追われてのスタートになった。
何を言っているか、こうしてオールジャパンで意見を集めてのスタートであり、後は学会関係者がしっかり意見を言って、実行していけばいい。その場は作ったのに何を今更ぐちゃぐちゃ言っているか、という声も聞こえてくる。これからは外から成り行きをしっかり見ませてもらおう。ここまで読んでいただいた一般の方には、難しい込み入った話にお付き合いくださり有難う御座いました。専門医について書くのはこれで終わりそうです。