究極の心不全治療が、今や心臓移植・再生医療・人工心臓の連携で進んでいることを知ってもらう企画で、心臓移植は私と日本臓器移植ネットワークの小中節子理事が担当し、再生医療は財団理事で京都府立医科大学の五條理志教授(心臓外科医)にお願いしました。さらに今回は植込み型補助人工心臓(VAD)に焦点を当て、この分野の第一人者である東京大学特任教授(現在は東京都健康長寿医療センター副院長)の許俊鋭先生をお呼びして、補助人工心臓全般と最新情報を熱弁で紹介していただき、加えて兵庫県で植込み型VADの第一例を手術された兵庫医科大学の宮本裕治教授に症例の具体的な紹介をして頂きました。術後1年を少し超えた今は完全に社会復帰(仕事に戻っている)されている様子のヴィデオには皆さん驚いておられました。
今回の目玉は、現在のところ国内で保険償還されている(但し心臓移植へのつなぎ、ブリッジに限られている)4機種の実物を各企業にお願いして会場で展示してもらったことです。エヴァハート(サンメディカル)、デュラハート(テルモ)、ジャービック2000(センチュリーメディカル)、そしてTCI-ハートメイト(ニプロ)の4機種ですが、各企業の方々にはお休み中にも関わらず展示にご協力頂き、感謝です。休憩時間にはデバイス(ポンプ)やバッテリーパックなどを実際に手に取ったり、拍動なしで水(血液の代わり)が勢いよく駆出される様子に感心したり、皆様喜んでおられました。
このように、三つの重要なテーマをコンパクトに纏めながらも補助心臓に重点を置き、さらに実物の展示が加わり、手前味噌ながら面白い企画になり、地元のメディアの事前紹介もあり、140人以上が集まる大盛況でした。用意した椅子が足らなくなって、立ち見の方も出る始末で、うれしい悲鳴でもありました。実は、お客さんが少ないのでは心配し、演者の友人関係や学生さんに前もって声を掛けたりしたお蔭かと思います。私の中学校の同窓生も先生を含め9人も来てくれていました。許先生も出身は大阪なので、旧友が危機に来られ、ミニ同窓会をされていました。兵庫県の移植推進団体や神戸市の方にも応援をいただきました。
今日の地元の新聞にも紹介されていました。移植はドナー不足が深刻であること、VADは目覚ましい発展を遂げているが日本ではまだ適応が移植へのつなぎしか許可されていない現状、再生医療にはまだまだバリアーが沢山あること、などが理解されたようです。地元の第一例はやはり注目されていました。詳細は省きますが、感想文を見ますと、こういった企画をもっと進めてほしいという希望や、我々への励ましの言葉、そして自分の心臓病への理解が深まった、などのご意見でした。雨模様のなか、多数のご参加、有難う御座いました。
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