2016年12月19日月曜日

師走に入って


 何となくダラダラしているうちにもう12月も後半に入って、世の中師走ムードです。そろそろ何か書かないと、と思いつつやっと重い腰(筆?)を上げてみたのですが、あまり突っ込んでいけそうな話題もなく困っています。取り敢えず最近の周囲の話題を少し取り上げてみます。
世界の動きとしてはトランプとプーチンが話題を独占しています。トランプ候補が大方の下馬評をせせら笑う様にクリントン女史を破って次期米国大統領になってしまいました。米国の大手新聞やマスメディアも予想が当たらず形無しです。それでも米国の大統領選挙を見て、かって世界を仕切っていたあの大国でも内部はがたがたになっていることも分かりました。よほど危機感があったのかヒラリーさんの人気がなかったのか。はたまたロシアからのサイバー攻撃でトランプ氏が有利になったとか、世界は一体これからどうなるのか。EUがおたおたしている間に二大巨頭国に中国が割り込んできて、世界の政治構図が変わるのではという予想もされています。
そういう中で、我が国の首相は人気取りというかパーフォーマンス好きで、さっそくトランプ氏に面会したり、プーチン大統領とは山口県の田舎の温泉で接待をしたのは良いが結局領土問題は解決どころかその道も遠のかせてしまった、という論調になっている。世界の指導者の強かさに、今あらためて気づく日本かな、でしょうか。政治のことは書かないことにしていましたが、年末放談、ということでお許し願いたい。
さて、医師の専門医制度改革が頓挫して、今は少し立ち止まって頭を冷やすタイミングになっている。と思っていたら先日の専門医機構の理事会は制度指針の改定案を承認したという。社員総会の承認を得たら確定され、その指針にそったプログラムを各学会(制度)が策定し20184月から卒後3年目の医師にこれを当てはめていくというシナリオである。その内容はまだ十分公表されていないが、報道では基本領域はプログラム制で進めるということでこれまでの改革路線が引き継がれる。しかしである、サブスペシャルはカリキュラム制も選択してもいい、とある。何や、ということである。カリキュラム制はこれまでの制度のことで、決められた臨床経験を踏むことが基本となり、これでは制度間の標準化や質の担保はどうなるのか。ここまで後退するなら、いっそのこと全部白紙にしてやり直すくらいしないと後々禍根を残す。グローバルには遅れたままになってハワイ大学の町教授のおっしゃる医師の生涯教育の鎖国状態が続く。いま、医師の社会的評価は決して高くないし、どちらかというと低下して来ている。自分達の制度は悪くなく改良する必要もない、という独善と無知が白衣の下に見え隠れしている。裸の王様、の類で、もう何をか言わんや、である。
先日、神戸で医療機器開発のセミナーがあった。私が委員長をしている、神戸市と先端医療振興財団がバクアップの「医療機器等の事業化促進プラットフォーム」が企画したものである。最近は厚労省も経産省も挙げて医療機器開発で日本産業を活性化しようとしている。厚労省の医療機器管理審査分野の課長さんが来られて講演されてが、一つだけここでも触れたくなることが紹介された。それは医療器の単回使用の原則が変わりつつある、ということである。内視鏡やカテーテル治療機器は多くが使い捨て、ディスポ、である。何万円もするものを滅菌消毒して再使用することは禁じられている。感染防止と安全性担保、のためである。もったいないから再使用したいが、これは単回使用製品(Single Use Device, SUD)だからダメ、となる。違反すると、病院長が記者会見で頭を下げることになる。
このSUDの仕組みが一部で変わりつつあるという。まず欧州で始まったことで、再滅菌や消毒、安全性の確認、などを製造した会社ではなく別会社がその資格をとって再使用品を販売する仕組みである。もとの製造側は特に変える必要はなく、これまで通り販売する。まだまだ使える機能があるのに、しかも高価なものを、いったん滅菌パックから出したら再使用できないとか、患者さんに短時間使った後でも再滅菌はだめ、と決めつけるのはおかしい、という発想から出てきたと想像される。日本的発想であるが、これが欧州で始まった。EUであるから出来たことかも知れない。日本はここでも後進国である。その制度を厚労省は導入することを決めたという。医療機器は多くは輸入品でコストも高い。この新制度で医療費が安くなればいい、という話。患者さん側は、私に使うのは新品とちゃう(違う)やつか、そんなことええんかという疑問が出るかも(大阪で?)。でも心配なく、これも新品扱いになる。ただ、少し安いから、関西人には受けるかもしれない。薬のジェネリックの医療器基版かもしれない。

ということで、今回は気ままに書かせてもらいました。

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