1999年2月28日は臓器移植法が出来て最初の心臓移植が大阪大学で行われた日です。もう20年経ちました。当時の様子が新聞等で紹介されていますが、おしなべて言われているのは、その後の予想に反して臓器提供が低迷していることです。法改正がされて、脳死での臓器提供について本人の意思が不明の時は家族が判断できるようになり、確かに臓器提供は増えて年間100例にもうすぐ届くと思われていましたが、ここ数年は頭打ちで70例ほどに留まり、心臓移植は年間50例程度です。心臓移植待機患者さんは毎年150人ほどが増え、総数500人以上になっています。現状でも待機期間は3年を越えていますが、単純計算でもこのままでは10年もかかることになります。保険適応になっていても全く普通の医療にはなっていない状況です。待機中に亡くなっていく患者さんが移植を受け患者さんの数に近いという厳しい状況です。
何故我が国では臓器提供が進まないか、いろいろな意見があります。国民の皆様の臓器移植への理解や脳死への考えも重要ですが、法律まで出来ている中で、その運用、システム、がうまく動いていない、という現実の問題が指摘されながら中々改善されていないことも指摘されています。臓器提供施設の整備や負担軽減は特に重要課題であります。死亡された方の臓器提供への生前の意思は尊重されなければならない、と書かれていことについても現場でどう遵守されていますか。小児では脳死事例でも施設側やシステムの問題で実現していない場合が多いことは深刻な問題です.この20年の節目で再度、メデイアや関係団体の課題解決に取り組んで欲しいと思います。持続性のある行動が必要です。
兵庫県での動きでは、院内ドナーコーディネ-ターの充実(専任化を含めて)をお願いししている中で、その纏め役でもある都道府県コーディネーターについて、兵庫県と神戸市が折半して一人増員させる予算案が議会で通ったと聞いています。ゆっくりでありましょうが、提供事例の増加が期待されます。20年を振り返っても、未だ道半ば、という気持を持って引きつづき移植医療の普及に努めていきたいと改めて思います。
神戸新聞記事を紹介させて頂きます。
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