暑い夏もいよいよ終盤ですが、今年は暑いというよりゲリラ豪雨に苦しめられた夏、と言った方が良いでしょうか。本当に大変な夏でした。台風11号が近畿を直撃したと思ったら、先週は広島市北部で大規模な土砂災害が起こりました。集中的に土石流が発生し、深夜であったこともあり多数の死者と行方不明者を出す大惨事となりました。山だらけの我が国では同じような山に沿った住宅地は何処にもあるわけで、どうしたらこういう自然災害を防ぎ,人災が加わらないようにするか、国は英知を集めながら,また国民の理解も求めながら災害予防対策を進めて欲しいと思います。かって中国では洪水を防ぐのが国を治める基本でしたが、我が国はその先にある山の治水がこれからの課題と言えそうです。 大地震の時もそうですが、暫くしたら防災や災害への準備がおろそかになっていきます。また自分の所は大丈夫という、勝手な思い込みも気をつけないといけないと思います。それにしても本当にこれからの夏はどうなっていくのか、気がかりです。
さて表題の再生医療です。前回はマスメデイアへの注文のような論点でしたが、今回はSTAP細胞関係のその後の報道がありましたので感じたことを書いてみます。まず、理研野依理事長から理研発生再生科学総合センターCDBの組織をどうするかの提案が紹介されていました。新聞でのまとめを見ると、アクションプランという名前で大規模な組織改編がなされるようです。その中にはCDBの解体的な出直し、理研のガバナンスの強化、研究不正防止策の強化、第三者によるアクションプランのモニタリング,とあります。また、同じ日にSTAP細胞の検証実験の中間報告がありました。それによりますと、STAP細胞の存在を示唆する結果が得られなかったが、さらに検討を進めるということでした。
CDBの解体的な出直しということについては、今後の研究活動がどなるのか現場や他の研究者から心配する意見もあります。今どうして解体というような言葉が出てくるのか分かりにくいです。何が悪かったのかの整理が曖昧のままで,国や周囲の声に押されているような気がします。部外者の気楽な無責任なコメントかも知れませんが、そう思っている方がかなり多いのではないかと思われます。検証実験もそうですが、論文が全てという原点に帰って振り返ってみても、もうこの関連の論文は取り下げられているのです。サイエンスの世界ではこの現象があるかどうかの議論はもう終わっているのではないでしょうか。今さら検証実験が何故必要か疑問ですし、論文不正への処分等の対応をもっと迅速に行っていれば、解体的改組といった拡大した影響は防げたのでは思ってしまいます。
同じ神戸で仕事をしているものとして早く結論つけて、新たな出発にして欲しいと感じています。関係者のご尽力に敬意を表しながら、コメントさせてもらいもらいました。
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