日本臓器職ネットワークはこの10月26日において脳死での臓器提供が1000件になったと発表した。法律ができて最初の脳死での腎臓を含む臓器提供が1999年2月に高知赤十字病院でスタートでした。大阪大学で心臓移植、信州大学で肝臓移植が行われてすでに四半世紀にならんとしている。11月10日には1005件となり、その内訳では、心臓移植は800、肺は847,新肺同時3,肝臓834,肝腎同時53,肝小腸同時2、膵臓75,膵腎同時443,腎臓1280小腸30,である。1000人のドナーのおかげで、4377人の方が移植を受け、命を長らえていることになる。お一人にドナーの方から平均で4.3の臓器が移植されたことになる。素晴らしいことである。我が国では提供された臓器を最大限移植できるよう臓器提供施設でのきめ細かい医学的ケアが進んだお陰である。因みに心臓では提供に至った比率は80%であり、諸外国に比し格段に高い。改めてこれまで提供されたご本人やご最大の敬意を表するところである。
1997年の臓器移植法ができた時は、その厳しい条件から移植禁止法とまで言われ、提供が100件になるのに何年かかるのか懸念されたが、法改正でもってその危惧は軽減され今日に至った。とは言え、2010年からこれまで12年ほどかかっており1000件ではまだまだ厳しいドナー不足状態は続いている。この勢いで年間300件の時代が這う悪来ることを願っている。また、昨今では海外での臓器売買が我が国の負の面が社会を賑わしているが、この1000件達成でもって社会の理解が進むと共に、ドナー不足の対策にも新たな展開が出てくることを祈念するものである。
新聞記事ではドナー不足の背景について識者の意見が述べられているが、提供施設側への支援や仕組みの改革については藤田医科大学の剣持教授が指摘しているだけで、大方は総論的な話に留まっていたのは物足りない限りである。この2月の投稿にあるように、提供側の課題は概ね明らかであり、その改革計画のロードマップ作りが関係省庁やアカデミアに求められていることを最後に指摘したいと思います。
長らくお付き合いいただいたこのブログもここ数年は沈滞しており、年齢のこともありこの投稿でもって終わりとさせていただきます。長らくご支援いただき有難うございました。
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