先週の後半は東京で第78回日本循環器学会が開催されました。東京大学循環器内科教授から現在は自治医科大の学長の永井良三先生が会長です。有楽町の国際フォーラムが主な会場でしたが、何しろ世の中は春休みの3連休であり、新幹線や東京駅はごった返してました。学会での発表や司会などの役割は何もないのですが、会議を一つ入れたのと、専門医資格の更新のための学会出席登録が主な目的でした。
専門医は、外科、心臓血管外科、そして循環期内科、の3つを持っていたのですが、外科専門医と心臓血管外科専門医は連動していて過去5年間の手術参加症例が100例を満たさないと更新できなくなり、昨年に両者は終わりました。ただ、循環器専門医は維持したいので、学会出席単位取得のために参加したと言っても良いくらいです。勿論、いくつか興味ある講演やデイべートセッションは参加してきました。何しろ内科の学会ですから心臓血管外科のセッションもあるにあるのですが、限られています。心臓外科医も沢山来ていましたが,多くは専門医更新のための出席では、と思われました。学会出席といてもお金を払って参加証をもらい、専門医受付のところで手続きをすれば単位(全部ではありません)をもらえるのですから、ある意味形式だけのものです。新しい制度での更新要件についても何らかの踏み込んだ内容を伴う単位認定が求められるのではと思います。
海外からの沢山の招請講演がありましたが、マルファン症候群の話に興味があったので聞いてきました。マルファン症候群は血管壁の構成成分(結合織)を作る遺伝子の異常によるもので、遺伝性で、大動脈瘤,特に解離性大動脈瘤を来しやすい特徴があります。長身で手足が長いなどの特徴ある外見と血管異常があり、リンカーン大統領がこの病気であったのでは言われています。大分以前ですが、米国から来ていた有名なバレーボールの女子選手(背が高い)が試合中の倒れて死亡しました。米国で遺体を解剖したら解離性大動脈瘤の破裂であったということで、同選手はマルファン症候群であったのではと想像されます。
マルファン症候群は遺伝性ですが、原因遺伝子の異常(フィブリリンやある種の癌抑制遺伝子)も明らかになり、血管作動ホルモン受容体の拮抗薬(ロサルタン)や癌抑制遺伝子異常(TGF-β)のタイプではその蛋白異常をターゲットにした薬物治療(予防)も進んでいます。今回の演者は、マルファン症候群の亜型とも言われているLoeys Dietz(ロイス・ディーズ)症候群の発見者であるDietz博士でした。マルファン症候群について基礎から臨床へと大変わかりやすいまた最新の知見を示した素晴らしい講演でした。異常蛋白を標的にした予防的治療の進歩も目覚ましいことが分かりました。大動脈瘤外科に関与する心臓血管外科医として一つ勉強になったことがあります。この症候群の女性が妊娠出産した時には血圧が上がったり下がったり変動するので、破裂の危険が知られています。博士の講演では、マルファン症候群マウス(ちゃんと出来ているのです)の実験で、出産した後に子供に授乳させる群とさせない群に分けると、授乳群で高率に解離が起こって死亡するというのです。授乳に関するオキシトシンというホルモンが関与するということも突き止められていました。臨床では実際に出産後に解離が生じて死亡することも分かってきたそうです。マルファン症候群の患者さんで出産がすんで安心したらいけない訳ですが、赤ちゃんを乳母さんに預けることも出来ませんから、オキシトシンの分泌を抑えながら注意深く経過を見る,ということが求められるようです。講演の内容を全て正確に聞けたか怪しい所もあるかもしれませんが、その場合はお許し下さい。
学会中にあったセッションで紹介したいのは、同学会心臓移植委員会主催の第10回心臓臓移植セミナーです。今回は、「ネットワーク登録と補助人工心臓使用の現状と問題点」、でした。この話は次回にします。
2014年3月25日火曜日
2014年3月16日日曜日
STAP 細胞、その後
大変なことになりました。先に、上っ面だけのコメントを書きましたが、こんな問題が直ぐさま出てくるとは想定もしていませんでした。理研やハーヴァード大などの権威のあるところからですから、すっかり信用してしまいました。軽々に私などがコメントをしたことに反省しています。
昨日の理研の記者会見はノーベル賞受賞者が謝罪して頭を下げるという前代未聞の記者会見になってしまいました。まだその存在が否定されたのではないにもかかわらず、かなり灰色というよりほぼ黒と、いう感じの会見だったと思います。小保方さんを未熟な研究者と決めつけておられましたが、著名なシニアーの研究者がいながらどうしてこうもひどい論文が作られたのか、信じがたい気持ちです。色々言われているように、複数の研究機関や大学が複雑に絡み合っての結果かと思われますし、大学のように教授が最終責任を取る、という形態ではないところに落とし穴であったのかもしれません。
一方では、科学研究のマスメディアの取り上げ方にも課題を残したと思いますし、発表側の作法のようなところもこれから注目されるのでは思います。NatureやScienceに論文が採用されるのは個人の業績としては最高の部類で、その後のキャリアーに大きく影響しますし、その研究機関のステータスも上げます。研究費やポジション、といったところに影響する訳ですから、その発表も粛々と行う、ということが基本ではないかと思ったりします。Nature やScienceにアクセプトされて電子ジャーナルで出る、という段階での発表の仕方や、新聞の取り上げ方にも変化が出てくるかもしれません。
これ以上のコメントは出来ませんが、神戸の医療産業都市クラスターにとってはかなりの痛手になるのではと心配です。国家戦略特区選定に影響しないことを願っています。研究成果の真偽や論文取り下げなど、まだ分からにところが沢山ですが、小保方さんにはここはしっかり踏ん張って難局を乗り切って欲しいと思います。
昨日の理研の記者会見はノーベル賞受賞者が謝罪して頭を下げるという前代未聞の記者会見になってしまいました。まだその存在が否定されたのではないにもかかわらず、かなり灰色というよりほぼ黒と、いう感じの会見だったと思います。小保方さんを未熟な研究者と決めつけておられましたが、著名なシニアーの研究者がいながらどうしてこうもひどい論文が作られたのか、信じがたい気持ちです。色々言われているように、複数の研究機関や大学が複雑に絡み合っての結果かと思われますし、大学のように教授が最終責任を取る、という形態ではないところに落とし穴であったのかもしれません。
一方では、科学研究のマスメディアの取り上げ方にも課題を残したと思いますし、発表側の作法のようなところもこれから注目されるのでは思います。NatureやScienceに論文が採用されるのは個人の業績としては最高の部類で、その後のキャリアーに大きく影響しますし、その研究機関のステータスも上げます。研究費やポジション、といったところに影響する訳ですから、その発表も粛々と行う、ということが基本ではないかと思ったりします。Nature やScienceにアクセプトされて電子ジャーナルで出る、という段階での発表の仕方や、新聞の取り上げ方にも変化が出てくるかもしれません。
これ以上のコメントは出来ませんが、神戸の医療産業都市クラスターにとってはかなりの痛手になるのではと心配です。国家戦略特区選定に影響しないことを願っています。研究成果の真偽や論文取り下げなど、まだ分からにところが沢山ですが、小保方さんにはここはしっかり踏ん張って難局を乗り切って欲しいと思います。
2014年3月14日金曜日
野沢温泉と関西インカレ
冬になるとどうも雪絡みの話になってしまいますが、今回は長野県は野沢温泉スキー場のことで書かせてもらいます。今週は日曜日(9日)から、全関西学生スキー選手権大会(関西インカレ)が野沢温泉で開催されていました。第84回ですから、全日本学生(インカレ)に遅れること数年で開催されています。昭和3年に神鍋で開催され21回から野沢温泉に移り、その後一時は大山で行っていましたが、最近は赤倉と野沢で2年ごとに交代で行っています。その間、昭和19年から21年は戦争で中断していますが、オリンピック選手も輩出している歴史と伝統のある大会です。関西といっても、東は中部地区から西は九州までカバーし、男子は1部10校、2部26校、女子部も昭和40年に始まって今は26校が参加しています。例年3月の上旬に開催されていますが、私はこの10年ほどこの組織(関西学連)の顧問(医療担当)をしていたのですが、最近は副会長を仰せつかっています。役目ということで大会には毎年出ている状況です。大っぴらにスキーに行けるということでもあります。因みに、私自身は阪大スキー部(体育会)でアルペンとジャンプをやっていたのですが、主に2部校ですからそれなりに易しいコースとかジャンプ台での話です。入学したときは阪大は長らく2部だったのですが、私が2年の時に2部で優勝し、1部昇格したのですが、1年で2部に戻ってしまい、1部の壁の厚さを思い知らされたのを思い出します。当時は医学部の学生が多く、先輩の中にその後阪大医学部法医学講座の教授になった若杉長英先生(今は故人)がおられ、お前はジャンプをやって一部で得点を取れ、と言われたのが懐かしいです。スキー部とは顧問ということで長らく関わって来ましたが、今は阪大医学部の依藤教授(スキー部OB)にお願いしています。
今年は3月に入っても真冬並みの天気が続き各地が大雪で困っていましたが、野沢温泉はおかげで十分な雪があり、しかも気温が低く良いコンデションでした。最終日を待たずに帰ってきたのですが、好天に恵まれ、上の平というゴンドラで上がるゲレンデまで足を伸ばしてきました。といっても、役員と医療班を兼ねているので、試合が終わった後に少し滑る程度でしたがそれで十分でした。野沢のいいところは当然ながら温泉でして、外湯が沢山あって、それぞれ特徴があり湯めぐりが楽しめます。今回は5日おりながら外湯は一度だけでした。スキーと温泉の組み合わせが出来ることもこの関西インカレのいいところでしょう。
関西インカレは20回から二部制になり、当初1部は6校でしたが、現在は10校で、阪大スキー部は私が現役のころに先に紹介したように1部に上がった後は2部が長かったのですが、60回大会前後から1部の常連校に入って活躍していた時期もありました。雪国出身者が少ない国立大では1部ではアルペンでは歯が立たず、クロスカントリーとジャンプで頑張らないと得点が稼げないのですが、京大や阪大、最近は名古屋大もジャンプで得点を上げて1部に残っている状況です。因みに1部10校中、国立大学が3校あるということは、私学の嘗ての有力校も選手層が薄くなっているということでもあります。阪大は平成18年に後一歩で1部優勝(総合優勝)まで行ったのですが、近畿大学の連覇を食い止める事はできませんでした。国立大学が優勝となればビッグニュースだったのですが。その後も頑張っていたのですが昨年2部落ちの苦痛を味わいました。幸い今年は少ない部員ながら頑張って最終日前で2部優勝がほぼ確定し、来年は1部返り咲きです。昨年1部昇格した九州大学と入れ替わるようです。
野沢温泉村はスキーのメッカとして広く知られ、国際的にも人気があり、今回も海外、特に欧州の方が沢山こられていて、役員本部の旅館の方は英語が話せるので何人か海外の方も滞在しておられました。野沢温泉は長野オリンピックではバイアスロンの会場でした。また、片桐、富井、河野、森、などスキーの名選手を今も送りだしているお家が沢山有り、苗字だけでは話がつながらない世界です。野沢温泉スキー学校が大会運営にあたってくれていますが、ベテランぞろいで慣れておられ、安心して大会ができました。感謝です。
2014年3月1日土曜日
専門医制度と第三者機関
昨日は私が理事をしている日本専門医制度評価・認定機構の臨時理事会と社員総会があった。この機構は四半世紀に渡って我が国の認定医や専門医の制度作りを担ってきたが、その大きな役割にも幕が下ろされることになった。というには、長らく学会主導で進めていた専門医に関する仕組みが、2004年に政府の規制緩和から広告できる制度に変わり、それから10年弱で大きな見直しをすることになった。その趣旨は、外形基準という枠組みをクリアーした制度を国が認める(広告できある)ということで返って混乱し、いろいろな専門医が学会という団体の存続や会員確保という思惑で乱立してきたことにある。このような危機感から、学会が仕切るのではなく専門領域で専門性を決めて、かつそれを認定するのは当事者ではなく第三者機関で行う、という方針を現在の機構が出したのが4-5年前である。これに厚労省は積極的に乗ってきて、これを機会に制度作りに国がより関与し、医師の配置を管理して行こうという考えであった。しかし、地域医療における医師確保を専門医の研修施設指定や認定の仕組みに入れようという思惑は学会(医師側)からの猛反対で消え去った。地域医療や医師の配置に専門医の制度を使うのはもっての外ということであった。厚労省も及び腰になったが、今の機構のスタンスとしては専門医研修(育成)については国民目線で考え、地域医療の確保にも配慮し、医師の不適正な配置を助長させない仕組みを作るとして、研修プログラム制の導入を決めてきた。
それまでは良かったが、その後が問題を引き起こした(と私は思っている)。今の専門医機構は学会主導であるからもう仕事は止めて、新しい専門医の認定や評価を扱う第三者機関が作られることになって、先般その具体的な内容が公表された。3月1日で新たな一般社団として登記するまで進んでいる。何が問題かというと、これは学会や医師側のエゴではなく、仕組み作りの根幹に関わる思想の問題であると思っている。今までの学会主導は悪いから第三者(中立的)でやるという、いわば実態からかけ離れた空論に自ら惑わされたのである。というのは第三者機関が新しい日本専門医機構として立ち上げることになり、その準備委員会が立ち上がったが、その中に日本医師会やいくつかの既存の病院関係団体がはいり、日本医学会が主導して組織作りが進んだ。私の所属する今の機構も池田理事長が組織代表で入っている。そして、定款ができ、発足時の社員(議決権がある)には学会関係ははいれないということで、日本医学会、日本医師会、そして全国医学部病院長・学部長会議の3団体で始めることとなった。設立後の社員としては、あまり馴染みのない二つの医療研修や医学教育の公益法人が入ることとなった。ここで注目すべきは、日本医師会や一時名前が挙がっていた病院関係の団体は何ら第三者ではなく、医師の確保では利益相反があり、特に今まで専門医制度に反対して来たのが日本医師会である。学会はダメという呪縛に振り回されて、実際の専門医制動作りで頑張ってきた学会は執行部の蚊帳の外において、実務はしっかりやってもらう、という仕組みである。自己矛盾である。
今の機構も、第三者機関設立の内容には口出しできない雰囲気ができてしまって、新機構の組織委員会からは報告程度であり、現機構の組織としての意見は出せないままで上意下達式に、まさに寄らしむべし知らしむべからず、方式である。医師の原点としてやってはいけないことである。先月の社員総会で上記の社員構成が紹介された。このような不可解なことが分かってきて、各学会は新機構の意思決定機関である社員に学会を入れろ、そうでなかったら参加しないことも有りうる、という強行意見が出された。その後、新機構の執行部もこの要求に折れる形で、何とか軟着陸させるということになり、昨日の臨時理事会と社員総会で事が決まった。今のこの機構の社員は総数85(学会がほとんど)あるが、基本領域の18と新たに出来る総合診療専門医を加えた19団体を新機構の社員に入れる案が議論された。結論としてこの要求を新機構の準備委員会である組織委員会に機構の機関決定で提案することに決着した。学会ではなく何らかの集団とすることであるが、曖昧な話である。学会という文言はダメという金縛りに自ら落ち込んでいるが、周囲からしたら猿芝居になるのではないか。第三者、中立、といっても国民目線の団体は入っていないことも不思議である。
前にも書いたが、世に第三者機関というのが盛んに出てくる。何が第三者か、世論への言い訳や、看板倒れもあるのではないか。専門医制度改革でも今はしまった、もっとほかの方法があったのではと反省している向きもある。というのは専門医資格を取っても、待遇が変わるわけでもなく、個人の時間とお金の負担ばかり増えて、得るところはあまりない。まだ先が見えてこない。厚労省も医師の配置での関与は薄れてしまっている。迷惑するのは若い医師では困る。米国の制度を見習おうとしたが、表目面だけに終わらなければいいが。
まあ、機構の理事もこれで終わることになり、新機構には関与する歳でもないので、好きに言わしてもらっている。理事会でも同様の物言いをしているが、物事を決めていく筋道を少し間違え、ボタンの掛け違いをやると、あとで修復するのに大変な時間と労力がいる。もう1年でもじっくり構えて、これから20年先の医療を担う若手医師の育成と医師の生涯教育を充実させるために英知を集めるべきではなかったか。時間に追われてのスタートになった。
何を言っているか、こうしてオールジャパンで意見を集めてのスタートであり、後は学会関係者がしっかり意見を言って、実行していけばいい。その場は作ったのに何を今更ぐちゃぐちゃ言っているか、という声も聞こえてくる。これからは外から成り行きをしっかり見ませてもらおう。ここまで読んでいただいた一般の方には、難しい込み入った話にお付き合いくださり有難う御座いました。専門医について書くのはこれで終わりそうです。
2014年2月24日月曜日
ソチオリンピックも終わりました
ロシヤのリゾート地、ソチでの冬のオリンピックが終わりました。日本選手団はメダルが8個と大健闘。金メダルはフィギャースケートの羽入の一個で、高梨沙羅や浅田真央が加われば最高だったでしょう。個人的にはジャンプの葛西が41歳で個人の銀、ノルデイック複合の渡部暁斗も素晴らしかったと思います。また、ボード大回転での竹内智香は知る人ぞ知る選手でしたが、銀メダルは意外性もあって大変受けていました。また、若い世代が出てきていることも今後に繋がるものではなかったでしょうか。
各選手が人生のすべてをかけるくらい頑張ってきたオリンピックの場ですが、世界の壁には打ち勝つことが出来なかったり、不本意な結果になった選手も多い中、各選手が精一杯戦う姿は感動的でした。オリンピック自体は国対抗ではないとは言え、団体戦はまさに国対国の勝負であり、個人も国の代表ということもあり、スポーツの祭典とはいえ愛国心が急に日本中に広がり、日の丸が振られ、自分の国や地元を見直す機会になったのではと思います。とはいえ、外にばかり目が奪われていては国内の大事なことが知らないうちに決まって行く、という事もあり、これからの経済がどうなるか、行き詰った国際関係しかり、さらに安倍政権の方向性、などにも注意が必要であると思います。
先般の大寒波の影響で、いまだに大雪による被害も続いていて、生活や交通での復旧が待たれる地区も多く、冬の自然災害への対応の弱さも露呈しているようです。医療事情ということでは大雪の時こそ救助ヘリの活動が大事でしょうが、どういう活動があったのか、知りたいところです。地域医療を担っている医師や医療スタッフもきっと大変な苦労をしながら、孤立知多地区の方々の命を守っておられたことと思います。
先週、熊本で心臓血管外科学会があり出かけてきました。私は、新たに始まる専門医制度についての特別企画の演者でしたが、心臓血管外科専門医の育成の仕組みが変わろうとしているなかで、多数の方が真剣に聞きに来られていました。新専門医制度については3月から新たな第三者機関である新機構が発足し、準備が始まるのですが、その機構の執行部である社員の構成や、学会の関与について、最後の詰めの議論が学会関係者と現在の専門医機構との間で進んでいます。又、報告したいと思います。
各選手が人生のすべてをかけるくらい頑張ってきたオリンピックの場ですが、世界の壁には打ち勝つことが出来なかったり、不本意な結果になった選手も多い中、各選手が精一杯戦う姿は感動的でした。オリンピック自体は国対抗ではないとは言え、団体戦はまさに国対国の勝負であり、個人も国の代表ということもあり、スポーツの祭典とはいえ愛国心が急に日本中に広がり、日の丸が振られ、自分の国や地元を見直す機会になったのではと思います。とはいえ、外にばかり目が奪われていては国内の大事なことが知らないうちに決まって行く、という事もあり、これからの経済がどうなるか、行き詰った国際関係しかり、さらに安倍政権の方向性、などにも注意が必要であると思います。
先般の大寒波の影響で、いまだに大雪による被害も続いていて、生活や交通での復旧が待たれる地区も多く、冬の自然災害への対応の弱さも露呈しているようです。医療事情ということでは大雪の時こそ救助ヘリの活動が大事でしょうが、どういう活動があったのか、知りたいところです。地域医療を担っている医師や医療スタッフもきっと大変な苦労をしながら、孤立知多地区の方々の命を守っておられたことと思います。
先週、熊本で心臓血管外科学会があり出かけてきました。私は、新たに始まる専門医制度についての特別企画の演者でしたが、心臓血管外科専門医の育成の仕組みが変わろうとしているなかで、多数の方が真剣に聞きに来られていました。新専門医制度については3月から新たな第三者機関である新機構が発足し、準備が始まるのですが、その機構の執行部である社員の構成や、学会の関与について、最後の詰めの議論が学会関係者と現在の専門医機構との間で進んでいます。又、報告したいと思います。
2014年2月16日日曜日
ソチオリンピックと日の丸
ソチでの冬季オリンピックも中盤になって、日本選手のメダル獲得がやっと続きだして、大変盛り上がっているようです。昨夜の葛西選手のラージヒル銀メダルは凄かったですね。年齢といい、経歴といい、スーパ-メダルでしょうね、素晴らしい方です。レジェンドにさらに磨きがかっかったようです。
ネットを見ると、竹田JOC会長が選手に注文をつけているのが話題になっているようです。予選落ちした選手が終わったとのコメントで、思い出になったとか楽しかったとか、ヘラヘラ言うのはけしからん、といった趣旨の発言のようです。要は国費を使って国を代表しているので、個人の感覚での発言は慎むように、国の代表という自覚を持つように、ということのようです。ごく一部の選手の言動が気に入れられなかったのでしょう。これに対して陸上選手であった為末さんが苦言を呈しているのが受けているようです。国費は他の国に比べかなり少ないうえに、個人の努力が大きい背景を知るべき、という趣旨が共感を呼んでいるようです。国威がかかるオリンピックですが、所詮は個人が出す結果であり、かっての東欧やソ連とは違うとも言えます。しかし竹田会長の言いたいことも分かるところです。
今朝のTV番組は有力選手の紹介とともに、お涙頂戴式の個人(家族)情報を流したり、試合結果だけでは場組が持たなくなるのか、スポンサーの意向か、メダル、メダルとキャスターは叫んでいます。あるコメンテーターが、期待の選手が負けたような時に、「メダルを逃した」、という言い方は良くなく、禁句にして欲しいと言ってました。同感ですね。メダル獲得には素直に喜ぶべきところもありますが、オリンピックとなると、メダルを取らないと責任をとれ、といった雰囲気に違和感を持つ一人です。TVはNHK始め異様なくらいの力の入れ方ですから、日本選手のメダル獲得への過剰な期待が作られて行っています。選手の地元では、市役所とか公民館で家族を前に座らせて、全員が日の丸の必勝と書いたハチマキをしめての応援が何度も放映されます。どこも同じ画像です。ご家族は自分の家で身内と一緒の観戦も出来ない訳です。画一的です。
オリンピック開始前ですが、選手の壮行会では、白地が寄せ書きの名前で埋まった日の丸が渡たされます。それをソチの会場で振られているのが世界に放映されています。かっての戦争の時のような悲壮感が漂っています。太平洋戦争とオーバラップさせる海外の方もおられるのではないでしょうか。
大学の時のブログでも書いたことがあるのですが、日の丸は国旗であり、応援の寄せ書きに使うものはない、と常々感じています。今回も会場で、寄せ書きで汚れた(私はそう思います)日の丸(国旗)、を振っている応援の方がおられます。国旗に選手の名前を書いて応援している国も無いことはないのですが、珍しいでしょう。直接応援に行けない人がほとんどですから、何かしらのメッセージを書いたり、自分も其処に行っている、という感覚なのでしょう。でも、E―メイルもあり、もっと他の方法での応援が出来ると思います。もっと自由な雰囲気で選手を送り出して、後は選手に任せて楽しく応援できないものでしょうか。
普段は日の丸の存在は意識していない年代が多くなり、応援旗みたいなものなのかもしれませんが、国旗は国旗でしょう。白地は白地であってこそ日の丸が美しいのです。竹田会長には言って欲しいと思います、日の丸への寄せ書きは止めようと。
この後も、日本人に頑張って欲しい種目が沢山あります。楽しみです。
2014年2月8日土曜日
大寒波
今朝は全国的に大寒波襲来で、関西もうっすらと雪化粧のようです。でも、こちらは先程から雨に変わっています。いっそのこと、雪になってくれるほうが何か楽しいのですが。 実は、今日から長野行きなので新幹線がどうなるか気がかりです。長野の行き先は白馬の北側、栂池高原です。当然ながらスキーなのですが、阪大の体育会スキー部には同窓会に今は60歳から70歳くらいになった年代が集まる会がって、その卒後?40周年記念会です。学生時代に合宿をしていた栂池で再会、という話です。私はそのグループのまたOBですが厚かましく参加します。アルペンとクロスカントリーのタイムレースも企画されています。雪はもう降らなくていいですが、天気になって青空の下で昔を懐かしみたいと願っています。
前回の話の中でSTAT細胞のこと触れましたが、最初SMAP細胞と書く情けない間違いをしました。特に意味はなく何とはなしの話です。さて、理化学研究所小保方晴子博士(新聞ではさんですね)がマウスの細胞ですが周りの刺激だけで万能細胞ができたという、大発見(発明?)でした。Nature 誌に発表されるものが全て同じ扱いにはならないなかでどういう意義があったのか。勿論、それ自体が衝撃的であり、常識はずれであったわけですが、ニュースバリューを高めたのは、iPS細胞の向こうを張る、あるいは否定するかもしれない大きな可能性があることでしょう。ただ今回は、それ以外に主役が医学者ではなく化学系の若い魅力的な女性で、博士をとって3年目、ということが大きかったようです。マスコミも理系の女性研究員、リケジョ、を盛り上げています。研究現場で頑張っている女性研究員への応援にもなっていて、今年の入試や理系学部の卒業生の行き先にいい影響が出ればいいと思います。医学生理学の分野に化学系(工学系)が堂々と入って成果を上げたことも大きいと思います。昨晩のTVの番組で、指導に当たった東京女子医大の岡野教授(工学博士で再生医療のリーダー)もおっしゃっていましたが、分野の融合の妙というか大事さを示した功績は大きいでしょう。
ということで、小保方博士が筆頭著者で、ハーバード大学とブリガム・ウイメン病院(バカンティ先生所属)と神戸の理研、東京女子医大、山梨大、です。連絡( 責任)研究者(corresponding author)は小保方博士とCAバカンティ先生の2名で、投稿は10 March 2013 で アクセプトが 20 December 2013 , と9ヶ月ほどかかっており、オンラインでは29 January 2014公表、となったものです。ですから、アクセプトから世に公表まで1ヶ月ほどたっていいます。
今日はやつけですがSTAP細胞の登場の側面的なことを書かせてもらいました。人での可能性とかその役割とか取りざたされていますが、その後のニュースでも分かるように、ハーバードでは実際は既にかなり先まで見越した研究がかなり進展しています。発表の後でほかの研究者がちょっとやそっとでは追いつけないくらい先を行っているようです。神戸からまたまた凄い研究が出たことは同じ島(ポートアイランドです)の人間として嬉しい限りです。 割烹着の似合う小保方博士にエールを送ってここは終わります。 大雪で交通の大混乱が起こらないように願っています。
追伸. 新幹線、しなので、何とか松本までたどり着いたのですが、大糸線が動いてなくて松本で足留めになりました。9日は大丈夫で今から大糸線に乗ります。
追伸2 その後は順調で、快晴のもとでOB会も無事終了。 写真は帰りに撮った白馬連峰です。2月でこんなに山がよく見えるのは珍しいということでした。青と白のコントラストが素晴らしかったです。
前回の話の中でSTAT細胞のこと触れましたが、最初SMAP細胞と書く情けない間違いをしました。特に意味はなく何とはなしの話です。さて、理化学研究所小保方晴子博士(新聞ではさんですね)がマウスの細胞ですが周りの刺激だけで万能細胞ができたという、大発見(発明?)でした。Nature 誌に発表されるものが全て同じ扱いにはならないなかでどういう意義があったのか。勿論、それ自体が衝撃的であり、常識はずれであったわけですが、ニュースバリューを高めたのは、iPS細胞の向こうを張る、あるいは否定するかもしれない大きな可能性があることでしょう。ただ今回は、それ以外に主役が医学者ではなく化学系の若い魅力的な女性で、博士をとって3年目、ということが大きかったようです。マスコミも理系の女性研究員、リケジョ、を盛り上げています。研究現場で頑張っている女性研究員への応援にもなっていて、今年の入試や理系学部の卒業生の行き先にいい影響が出ればいいと思います。医学生理学の分野に化学系(工学系)が堂々と入って成果を上げたことも大きいと思います。昨晩のTVの番組で、指導に当たった東京女子医大の岡野教授(工学博士で再生医療のリーダー)もおっしゃっていましたが、分野の融合の妙というか大事さを示した功績は大きいでしょう。
ではNatureの論文を見てみますと、
Stimulus-triggered fate conversion of somatic cells into pluripotency.
Haruko Obokata,Teruhiko Wakayama,Yoshiki Sasai,Koji Kojima,Martin P. Vacanti,Hitoshi Niwa,Masayuki Yamato,
Charles A. Vacanti.
Nature Volume: 505,641–647 (30 January 2014) Pages:
ということで、小保方博士が筆頭著者で、ハーバード大学とブリガム・ウイメン病院(バカンティ先生所属)と神戸の理研、東京女子医大、山梨大、です。連絡( 責任)研究者(corresponding author)は小保方博士とCAバカンティ先生の2名で、投稿は10 March 2013 で アクセプトが 20 December 2013 , と9ヶ月ほどかかっており、オンラインでは29 January 2014公表、となったものです。ですから、アクセプトから世に公表まで1ヶ月ほどたっていいます。
バカンティ先生は麻酔科の医師で組織工学(テイッシュエンジニアリング)のオーソリティ、バカンティの耳(マウスの背中にヒトの耳介が乗っているもの)で有名な方です。日本の心臓外科の若手も沢山勉強に行っています。という研究室ですから、ハーバードのグループはMITと連携するなど工学系と密接に連携している強力な背景があります。そこで、この研究は既に長く続けられていて、小保方さんはそこでこれまで持っていたアイデアで成果を上げたということでしょう。素晴らしいことです。なお、バカンティ先生がSTAP細胞の将来について別の幹細胞の雑誌でのインタビューもありました。英語ですが紹介しておきます。
http://www.ipscell.com/2014/02/interview-with-charles-vacanti-on-stap-cells-link-to-spore-stem-cells-more/ です。
さて、特許は昨年に既に出願されています。やはりやることが凄いですね。
GENERATING
PLURIPOTENT CELLS DE NOVO
発明者: VACANTI CHARLES A [US]; VACANTI MARTIN P [US];
KOJIMA KOJI [US]; OBOKATA HARUKO [JP]; WAKAYAMA TERUHIKO [JP]; SASAI YOSHIKI
[JP]; YAMATO MASAYUKI [JP]
出願人 BRIGHAM & WOMENS HOSPITAL [US]; RIKEN [JP];
UNIV TOKYO WOMENS MEDICAL [JP]
今日はやつけですがSTAP細胞の登場の側面的なことを書かせてもらいました。人での可能性とかその役割とか取りざたされていますが、その後のニュースでも分かるように、ハーバードでは実際は既にかなり先まで見越した研究がかなり進展しています。発表の後でほかの研究者がちょっとやそっとでは追いつけないくらい先を行っているようです。神戸からまたまた凄い研究が出たことは同じ島(ポートアイランドです)の人間として嬉しい限りです。 割烹着の似合う小保方博士にエールを送ってここは終わります。 大雪で交通の大混乱が起こらないように願っています。
追伸. 新幹線、しなので、何とか松本までたどり着いたのですが、大糸線が動いてなくて松本で足留めになりました。9日は大丈夫で今から大糸線に乗ります。
追伸2 その後は順調で、快晴のもとでOB会も無事終了。 写真は帰りに撮った白馬連峰です。2月でこんなに山がよく見えるのは珍しいということでした。青と白のコントラストが素晴らしかったです。
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