今週、京都は宝ヶ池の京都国際会議場で第114回に日本外科学会が開催されていて、初日の3日だけですが参加してきました。毎年6千人くらいの外科医が参加する日本では2番目に大きな学会(内科学会に次いで)で、一般外科から,消化器、心血管、呼吸器、乳腺内分泌、小児、移植、と多彩な分野の若手から私のようなシニア-まで集まるすごい学会です。今回は京都大学で肝臓や膵臓の外科を専門にしている上本教授が会長(正確には会頭)でした。因みに10年前の第104回は阪大の旧第一外科が担当で、私が会長でした。もう10年経ったのかと感慨深いものがあります。
学会での仕事としてはもう特にないのですが、開会前に急に会長から電話があって、米国からの招請演者が交代になって、心臓外科領域だから司会をしてくれないかと,と言うことでした。丁度都合が良く、引き受けた次第です。演者はBrown 大学のSellke教授で、内容は心筋の再生医療(細胞治療とか増殖因子の投与)は期待したほどの効果がなく、その背景には何があるのか,という内容でした。我々も阪大でやっていたことであり、また脚の血行障害への幹細胞治療が結構日本でも行われているので、面白い議論が出来たと思います。全体に少し悲観的なメッセージであったのですが、午前中の特別講演でノーベル賞受賞者の山中教授の講演があった後でしたので、大きな夢と小さな現実の両者が見えたという感じでした。
その山中教授の講演ですが、国際会議場のメイン会場は超満員でした。途中からしか聞けなかったのですが、米国留学から帰ったあと精神的にまいっていた時期があったそうで、PAD(post America disease)と言われていいました。別に言うと、うつ、ということだそうです。そして、もう基礎研究は止めて臨床に戻ろうとしていた時に、奈良先端科学技術大学院大学の研究ポストの公募あり、これでだめなら臨床へ、とまずダメだろと応募したら採用になってその後の人生が変わったそうです。そこで最初の院生募集作戦の話も大変面白かったです。
山中教授のお話をここで紹介するのはおこがましい限りですから、4つの掲げた目標を10年で達成すべく努力しているということでした。後6年、東京オリンピックの年がその年ということでした。大変大きな目標ですが、着々と研究や事業が進んでいて、後6年も掛らないで大半が達成されるのでは思います。緻密、かつ大胆、素晴らしい方でした。
せっかく桜がほぼ満開の京都に来ましたから、ホテルから会場までの途中の鴨川沿いの桜並木や夜のライトアップした花見小路は素晴らしかったです。さすが桜の京都と今さらながら感心し、桜に酔いながら?の学会でした。
南禅寺近く、蹴上げで。
医療大バスケットの応援に来て以来。
山中教授の講演。
桜小路?での桜のライトアップ。南禅寺近く、蹴上げで。
医療大バスケットの応援に来て以来。
山中教授の講演。
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