昨日からポーアイの神戸国際会議場とポートピアホテルでアジア心臓血管胸部外科学会(ASCVTS2013) が開かれています。心臓外科、呼吸器外科、血管外科が集まる学会です。毎年アジアの国で持ち周りで開催しているもので、今回は日本が担当で、会長は東大前教授の高本三井記念病院院長です。私は発表とか座長とかのお役目もないのですが、開催場所が地元なので参加しています。
今日はポートピホテルでは兵庫医療大の入学式の日でした。ホテルの玄関に学会と入学式の立て看板が並んでいたので写真に撮ってしまいました。私は学会への出席でしたが、ホテルで教員の方々と会ってしまい、びっくりされてました。そして、緊張と嬉しさの混じった新入学生を見ていて、何か懐かしく思ってしまいました。
さて、学会はと言いますと、心臓血管外科の研究的なことはさておいて、心臓血管外科の将来、修練制度、臓器移植などで、欧州、米国、韓国、台湾、中国、インド、ヴェトナム、シンガポールからの発表があり、国際比較を考えるうえで参考になりました。若い外科医(レジデント)の修練制度ではアジアは独特ですが、中国や韓国、シンガポール、インド、などでは米国流の制度が取り入れられ、計画的トレーニングが行われていて、日本だけが取り残されている状態です。といっても我が国の心臓血管外科手術の質は国際的にみて大変高く、指導層のレベルは高いのですが、若い人の修練制度は遅れている、ということです。日本の制度は今変わろうとしているので、その辺りのことについて発言と質問をしてきました。シンガポールの先生は、ダーウインの例の格言、チェンジするものが生き残れる、を引用されてました。 以上、本日は医療大の入学式が気になりながらの学会参加でした。明日も出席します。
補足:医学部卒業後、5-7年で専門医資格を取るまでのトレーニングをレジデント制と言ってます。欧米では最初に例えば心臓血管外科専門医を取る年齢は30歳前後ですが、日本で心臓血管外科専門医試験を受験する年齢が35歳から最近は39歳と高齢化?しています。なぜこんなことになっているのか、大変複雑です。でも、内容が難しいというより制度として確立していない、ということです。