2020年12月29日火曜日

 COVID-19に明けくれた1年でした 投稿の振り返り

   新型コロナ(Covid-19)で翻弄された2020年も残すところ3日となりました. わが国では依然として感染者数の増加が続いているなかで年を越すことになりましたが, ウイルスの亜型の出現と早々とわが国への侵入, 空港検疫での水際作戦の効果, ワクチン接種の見通しは, など不安材料ばかりですが2021年は収束が始まる年であって欲しいと思います.

   さて, 今年のこのブログもCOVID-19の出現で皮肉にも生き返ってきた感があり, これまで2月のクルーズ船の検疫隔離の問題から始まり, 6月まで毎月の投稿で, 4月の2回を入れて計6報になりましたので, 今日はその振り返りをして今年の締めにしたいと思います. なお, 今になって振り返ってあれこれ言うことは憚れるし, あまり意味もないことですが, もう一度自分なりに振り返ることも大事と思いますのでご理解ください.

   投稿のスタートは横浜のクルーズ船の集団感染についてでしたが, 今振り返ってみてクルーズ船の検疫体制は関係の方々のご努力である程度の防御効果はあったとは思われます. しかし, 初動作戦としては試行錯誤の段階はやむをえなかったとは言, 行政として, また関係専門機関として, その後の国としての対応はなんとも歯がゆいことばかりでした. 経済優先策をとったことから対応が後手にまわってしまったことは明らかでしょう. この投稿の最後は, 標準防御(standard precaution)の考えを広く社会に伝える必要があること, 船外でのアウトブレイクが起こらないことを願う, ということでした. 残念ながら後者は, クルーズ船というより他の水際作戦の不徹底からクラスターの多発に繋がっていったようです.

   3月の第2報では, 今国が取るべき対応への私見を述べましたが, 国としての危機管理体制の強化, 情報発信の統一, ニュージーランド首相のメッセージにあるようなステージによる危機管理把握と国民への具体的周知を(これまでの大水害での経験がいかされていない), そして医療危機が迫っている中で全国に沢山ある国立病院(今は機構)が感染者対応で緊急的役割を果たすよう国は至急検討することでした. 旧国立病院にお出まし願いたいことは, 今まさに医療体制が逼迫しているなかで再度訴えたいことであります. 補足として, NEJMやLancetに新型コロナの新しい医学的情報が毎週のように出ているが, わが国からの世界に向けた情報発信は皆無ではないか, ということも指摘している. そ

   の後は, 臓器移植(臓器提供)のことや感染者(疑いを含む)への心配蘇生の問題, 米国のICUでの家族の面会の話などでしたが, 改めて紹介しておきたいのは, 4月のNEJMの論文紹介です.

    Ten Weeks to Crush the Curve. By Harvey V. Fineberg, M.D., Ph.D.  10週で感染拡大の勢いをとめよう, というものでした. 即ち, 1)大統領を補佐する統合指揮官に最大の力を与えること.   2)PCRを次の2週間で100万件. 3)医療従事者にPPE(個人用防御装置や器具)を充分支給する. 4)症状やリスク分析で5つの群分けをして対応する.   5)国民とともに戦う(inspire and mobilize the public).   6)実行しながらこのウイルス感染の基本となる研究を進める.

   この中で今もわが国で肝に銘じるべきことは, PCR検査と5の国民と共に戦う, です. わが国ではこの期に及んでもまだPCR検査ばかり広めても意味がないとか, 今度は検査できるところを増やそう, 民間医療機関に協力依頼, などが続いている. 私がよく使う言葉ですが, ガラパゴス状態のわが国は, 良い面ではウイルス進入を抑える, 一方では現実の施策での世界とのギャップでしょうか.

   6月は, ポストコロナ時代における発想の転換と働き方改革でした. この問題はまさに2021年に我々が何すべきか考える上での基本でしょう. 既にかなり進めている分野とのんきに脱コロナだけを考えている分野に二極化しています. ほとぼりが冷めたころには元に戻っていたでは済まされない問題です. 今年の締めとしては, このポストコロナ時代に向けての発想の転換と無駄なことは止める, 思い切った改革を, でしょうか.

   ということで, 来年もお付き合いのほど宜しくお願いいたします. 新しい職場でのことは年明けに書かせてもらえればと思います. 皆様のご多幸とCOVID-19の1日も早い収束を願います.

2020年12月24日木曜日

今年の振り返り;その他

  新型コロナウイルス感染蔓延で世界が翻弄された2020年も後1週間ですが, わが国でも感染の勢いは止まるところを知らずに日々拡大しています. 問題は重症例や死亡例が増えてきていることで, 医療現場は対応に限界があり医療体制が逼迫していると連日報道され, 日本医師会はじめ地域医師会も医療提供側の窮状を訴え, 現在の感染の歯止め施策の不備を訴えています. 私の病院でもno Covic-19ではなく, 柔軟に対応し回復期の患者の受け入れ態勢や, 自前のPCR検査の導入も始めています. 疑わしい患者や回復期患者の受け入れは, 職員を一層厳重に感染から守ることができないと実現しないわけで, 中小一般病院としてのコロナ対応の役割は依然として足元が盤石ではないことも知るべきでしょう.  さて, 今年の振り返りですが, 何といっても最大の出来事は職場が変わり心臓外科医から心臓内科医に変身(転身)したことでしょう. このことは既に紹介していますので, その後の経過は折に触れて書かせてもらいますが, 心不全ケアのハートチームへの立ち上げを宣言してから約3か月, やっと, というか早くもというか, チームも立ち上がり, ハートノートの運用も試行錯誤の中で始められたことは, 病院の多職種連携のへの体制が既に構築されていたことが大きかったと思います. 2週に一度の症例カンファレンスも始まって, 何とはなく形が出来つつあるといったところですが, 高齢, 独居, 低い活動性, 認知機能低下, 合併疾患(糖尿病, 高血圧), 摂食嚥下障害, などが慢性心不全の状況を複雑にしています. このような対象への心不全地域ネットワーク作りが果たして可能なのか自問自答しながら, ここで出来ることは何か, 何かあるはず, という視点でこのプロジェクトを進めて行けたらと思っています. 来年4月ごろには少しは形になって成果が出てきたことを紹介できればと思っています. 乞うご期待というほどのものではありませんが.   学術活動としてはコロナ自粛のおかげでじっくり机に向かうことができたことで, 昨年の11月でしたか, 大阪で行われた国際人工臓器学会で会誌(Artificial Organs*)編集長からオファーをもらった依頼原稿, Pioneer Editorial, を書き上げたことです. 晴れがましいタイトルですが, 日本の補助人工心臓と心臓移植のこれまで(といっても2010年くらいまで)の発展を纏めたものです. タイトルの副題に, How people workedとしてオールジャパンとしての成果を紹介しました. 1ページ目だけ紹介しますが, 一緒に写真映っているのはECMO装置で, この装置は1990年頃から阪大で簡便な心肺補助装置の開発を進めていたのですが, PCPS(経皮心肺補助)という名前で世に出しました. 今回のコロナ禍で呼吸補助としての役割で注目され, ECMOとして広まっていますが, 懐かしい思いでもって背景に使ったという裏話です.  余談的なことでは, 今年はYouTuberになったことでしょうか. 外科手術トレーニングについてはシミュレータ―を用いる方法が学生や修練途中の外科医を対象に広まっています. この領域について評価法の標準化や指導法の開発を目指し, 福島を拠点に世界手術教育フォーラムを立ち上げておりますが, そこでデバイス関係で大きな役割を果たしているEBMという企業であり, 今年はそこが主催して教育的放送,アカデミー,をYouTubeで始めました. その先兵として私に白羽の矢が当たり, 症例報告の書き方で登場しました. 興味ある方は覗いてください(< https://www.youtube.com/watch?v=EpwaVzzwt6A&t=329s&ab_channel=EBMCorporation). 症例報告が臨床研究のスタートであり, 終着駅でもあります. たかがcase report, されどcase report, といった感じです.
 ということで, 後1本年内に書けるかどうか分かりませんが, 今日のところはこの位にしておきます. *:Artifial Organs、総説の第一ページ

2020年12月4日金曜日

今年の振り返り:移植関係

      2020年も残すところ1月となりしたが、今年は新型コロナと共に始まり終息の気配も見えずに年を越しそうです。昨日は(12月3日)は大阪で赤信号が灯りました。現実になっている医療崩壊を社会が真剣に認識してもらう意味でも重要な決断です。 さて、8月でもって長らくなんとか続けていた心臓外科医に終わりを告げ、一般医療のある意味最前線ともいえる今の病院に変わりました。長い人生での一つの区切りでもあり、また真の終活への超えないといけないステップとも言えるかもしれません。余分に頂いた医師としての余生を、正に現在社会が抱えている問題が集積しているような医療現場で働かせてもらうことの有難さに感謝している日々であります。ということで、懸案というか関心事について今回と後幾つかで振り返ってみたいと思います。 Covid-19関係でまず気になるのは臓器移植領域で臓器提供がどうなったかです。救急現場がコロナ対応でそれこそ医療崩壊が危惧されてきたなかで、脳死ないしそれに近い状態で搬送されてきた患者さんや家族への対応など、ドナーコーデイネーターに聞きたいところです。現実として、今年の脳死下の臓器提供は11月まで66件、心臓移植は51例であることが日本臓器移植ネットワークJOTNのHPから見ることが出来ます。臓器提供が最近右肩上がりで年間の脳死での提供が100件に近くなり、心臓移植も80例に届くまでになっていた最近の傾向から見て、その勢いはやや減弱していると言わざるを得ないでしょう。しかし、難局の中でここまで維持されたことは、救急医療現場や移植関係の皆様の努力に、そしてドナーのご遺族に最大の敬意を表するものであります。  

    さて、この1年ほど学術的な活動、と言ってはおこがましいですが、少し振り返ってみます。論文投稿ではもう最後の最後でしょうが、二つありました。一つは昨年の今頃に日本移植学会学会誌に投稿したものです。* 心臓移植関係では臓器配分の基本ポリシー(Status-1,,2,3)が開始以来未だに改定されていない問題で、JOTNに依頼して待機中死亡についての分析をしたものです。待機中死亡を減らすにはまずは臓器提供を増やすことですが、それ以外に大事なことは待機中死亡の危険因子を分析し、臓器配分の仕組みを改定することです。このことは誰しも理解し、海外では実践されてきた歴史があります。私の論文はその背景を分析し、これからの道筋を書いたものですが、この問題提起が現場の関係者にしっかり伝わっていないというか、暖簾に腕押しなのか、期待する反応がないのが寂しい限りであります。難しい事項ばかり上げても前には進まないと思います.何か大きな壁があって(誰もわかっていること)を押し開けるエネルギーが欲しいというところでしょうか。 一方の米国では、UNOSが2018年に心臓の臓器配分で大きな改定を実施したわけですが、そのフォローアップ研究が最近の国際心肺移植学会雑誌に掲載されていました。** このUNOS-2018改定は、待機中死亡を減らすこと、地域格差(遠距離搬送を是正する)といった目的で、安定して待機している植込型補助人工心臓の優先度を下げ、短期使用の補助循環装置付きの患者(待機状態が安定していない)のを最優先にしたものです。新方式の妥当性を評価する報告がこの2020年に5つも出ていて、この論文ではそれらを全体で解析したものです。5つの報告はUNOSのデーターベースからとはいえそれぞれ異なった手法での分析ですが、旧方式と新方式を比較分析しています。結果は全体では新方式で一時的器械的補助手段が多く使われているのは当然ですが、早期死亡では3つの分析で新方式が劣っていたものの後の2つでは差がなく、一方で待機中死亡は減ったものが3であと2つは差がないといった結果でした。結論的にはこれからもUNOS-2018改定の現場に及ぼす結果の解析が必要としているが、そもそももう古い方式は採用されていないわけで、対照が後方視となるのは致しかたないでしょうが。 

      ここで言いたいのは新方式がどうのこうのということではなく、わが国では20年続いている制度の妥当性や問題分析を全国レベルで行っていないということです。背景にはJOTNのポリシー、個人情報の保護、にあるわけですが、担当学会や研究会の不作為の面があることは否めないと私は思っています。米国は年間心臓移植数が我が国の少なくとも50倍近くあることから、かかる分析もタイムリーにできる背景があるとはいえ、わが国ではどうにかならいかと思うわけです。待機中死亡のリスク分析は個々の施設では出てきているのですが、全国レベルでは出てきていません、AMEDの研究で動いているのかもしれませんが。 ということで、年末の反省会のような感じですが、その第一報にします。 

*:松田 暉. 心臓移植登録患者の待機中死亡に関する全国調査—臓器配分システム改定への考察—. 2019;54(6):291-298  

**:Varshney AS, et al. Outcomes in the 2018 UNOS donor heart allocation system: A perspective on disparate analyses. Journal of Heart and Lung Transplantation. 2020;39(11):1193-4.

2020年11月30日月曜日

 高知市で日本人工臓器学会が開催されました

   何時ものことながらもう月末,明日から師走,となってしまいました.ここ数日気温もかなり下がってきてようやくというか早くも冬の気配です.スキー馬鹿としては今シーズンこそ雪不足でないことを願っています.さて,Covid-19は一向に収まる気配もなく,というより第3波になって全国的に感染者数がこれまでを上回る状況が続いています.政府の方針が経済優先から抜け切れず,中途半端のままで,医療界からは医療崩壊がそこまで来ているという警鐘も出ています.兵庫県から大阪市へ通いながら高齢者が多い医療現場で一医師として働いている者として,危機管理においては正念場であると感じています. さて,今月に入って高知市で日本人工臓器学会が現地開催で行われました.高知大学医学部外科教授の花崎先生が会長で,その英断に多くが感謝し,これまでの巣ごもりのうっ憤を晴らすかのように結構の数の参加者があり盛会でした.好天に恵まれ,国宝の高知城も朝の学会前に訪問し,朝の散歩と気分転換になりました.この学会は医師以外の工学系研究者や医療関係者(臨床工学技士と看護師)が会員の半数を占めていますが,多職種連携のセッションも多く,活発な議論が行われていました.報告としては,サテライトで開催された研究会と本会での話題を少し紹介します.

  前者の日本補助人工心臓治療研究会は愛媛大学の泉谷教授(心臓血管外科)が会長で,植込型補助人工心臓(VAD)の適応がいわゆる永久使用(destination therapy, DT)時代になってどう変わっていくのか,というテーマでいくつかの議論がありました.といってもDTはもう何年にも渡って開始前,と言いながら5-6年はたっています.ここに至ってようやく先が見えてきた(来年には始まる)なかで,移植へのブリッジとDTという近くて遠い二つの選択肢の合間にあるbridge to decision やbridge to candidacyへの植込型の応用の話が期待されたのですが,大方の関心はDTが来る,という雰囲気で私の興味は少数派であったようです. 一方ではDTを実際始めるにあたっての種々の課題も改めて浮き彫りにされたと思います. DTについては社会復帰,在宅管理,そして緩和ケアといったことを支援する社会的支援基盤がいまだ未成熟であることが改めて浮き彫りにされたと個人的には感じました.人工臓器学会でも議論しましたが,色んなところで多職種連携と言いながら現実には専門的人材の育成と雇用の面では整備不良感は否めず,コメディカルの積極的関与を支える医療現場(病院)では個人的努力に依存した現状は相変わらずという感じでした. 心臓移植で言えば,レシピエントコーデイネーター(RCT)については既に紹介しているように全国で認定者(学会関係)がたった10人という現状を移植医側が深刻ととらえていないことが問題です.この件については,先月にWeb開催となった心臓移植研究会の役員会でも提案したことですが,VADコーデイネーターという学会認定資格は400人近くの認定者の半数が看護師という現実があるわけです.入院中のVAD患者のケアですが,すべて心臓移植待機患者であり,レシピエントのケアをしているわけでRCTとははっきりと一線を画するものではないと思うわけです.先の日本循環器看護学会で報告したことですが,再度人工臓器学会の多職種連携のセッションで発言したところです.阪大病院看護部からVADコーデイネーターの専従をという訴えがあったことは,かかる状況が心臓移植施設では課題になっていることを示していると思われます.病院長や看護部長の決断が欲しいところです. 背景に看護師不足,という意見があるとすれば,一時代前に比べれば倍近くの看護師を擁している大学病院の言うことではないと思います.

  人工臓器学会は花崎会長の英断で現地開催となってやっぱり対面での会話や議論が大事であるということは感じました.しかし,その後の小児循環器学会や循環器関連学会はすべてWeb開催となっています.感染の第3波が来ている中では,当分現地開催は無理で,開き直ってWeb開催での発表や意見交換の方法を改善することの必要性を改めて痛感します.最近届いた心臓血管外科学会雑誌で, 日本医科大学の新田隆教授は,Web開催やZoom会議ではIT技術を駆使して新たな時代を迎えるべきという趣旨のことを書かれています.そのなかで,Web議論もチャット形式ではかえって要点に絞った議論ができる,というメリットがあると指摘されていたと思います.これまで学会では,えてして無駄な議論や長々と持論を述べて肝心の質問は意味不明といったことが少なくないのです.IT化を進めるなかで,学会等での質問はポイントを絞って,論点整理をして,いい質問をするよう皆が心掛けるようになっていく機会が来たのではと感じます. ということで明日から12月, 師走です.コロナ第3波の真っただ中での年末になりそうですが,この1年世界が大変な危機に見舞われ,中でも医療では崩壊の危機が迫っているという現実を改めて認識し,年越しで忘れると言ことのないようにしたいです.いかにウイズコロナで来年を乗り切るか,頭の整理と発想の転換が改めて必要と思います. なお,病院内のハートチームは皆さんが頑張って何とかスタートし,ハートノートを渡す患者の選択が始まっています. いい雰囲気で進みそうで, 乞うご期待でしょうか.

 写真は高知城です。美しい城壁と立派な天守閣(時間が合わず入れませんでしたが)でした。




2020年10月28日水曜日

日本循環器看護学会にて: 心臓移植レシピエントコーデイネーターと心不全看護認定看護師

10月も後半に入り関西も大分涼しくなってきました. 週末は好天続きで行楽地もかなりにぎわっているようで,先日は梅田界隈を少し歩いたのですが,何か特別の日なのかと思うくらいの人出でした. 新型コロナがまだ収束の気配が見えない中で社会活動ではかなり活気を取りもどしつつあるのかと思います. 特に小さな子供さん連れの親子が多く見られ何か心が温まる気がしました.

新しい働き場所勤務もそろそろ2ヶ月になりだいぶ慣れてきました. 心不全ケアチーム作りも看護部と共に始めていますが,チームメンバーを決めてもらって,ハートノートを見ながら準備段階です. 心不全の患者さんは結構おられますが,高齢,多臓器障害,独居,認知症,など一筋縄ではいかない方ばかりで,ハートノートを渡しても見てもらえるかどうか心配される方が多いので,まずは退院以後もフォローできそうな患者さんを選ぶことからは始めることにしています. 一方で,教材作りも大事で,心不全ケアチーム概要のpower pointを作り,解説付きにして病院の閲覧ファイルに入れたり,参考資料を配ったりなどを始めている段階です. 一方,近隣の大阪市立大学附属病院,府立急性期・総合医療センターなどの循環器専門医が集まる大阪市南地区の会にも参加し交流を始めました. この病院でのハートケアチーム作りはなかなかのチャレンジマターであり,遣り甲斐があると思っています. 楽しみがまた出来たというところです.

 

10月に入って学会活動も活発になってきたようですが,ほとんど,あるいは全てでしょうか完全Web開催になっています. 学会から特別講演依頼のあった10月上旬の第17回日本循環器看護学会(宇都宮明美京都大学大学院クリティカルケア看護学教授が会長)は京都開催で楽しみにしていましたが,最終的に完全オンラインになってしまいました. 講演自体は会場で話している雰囲気を出して40分ほどの独演会をさせてもらいました. 今日はこの学会の報告会とさせていただきます.

タイトルは,「心臓移植から見た心不全医療における看護師の役割と期待」,でした. 超高齢化社会と共に心不全パンデミック時代が到来しているなかで,心不全ケアには当然ながら多職種連携チームが重要で,そのなかで循環器に関係する看護師の役割を,心臓移植レシピエントコーデイネーター(RCo)と慢性心不全看護認定看護師について概説すると共に私見を述べさせてもらいました.

心臓移植RCTは日本移植学会が中心となり認定しているもので,始まって10年ほどになり,設立に関わったものとして注視していました. この機会に経過を調べたのですが,心臓移植のRCoは当初の認定者が10名でしたが,現在も全然増えていないことが分かりました. 増えない背景を考え,採用する心臓移植実施施設(移植施設は11)の病院の問題が大きく,看護部や病院長の支援が難しい事情があることも指摘しました. 心臓移植が年間100例に届こうとし,待機患者は800人を超え,移植後患者も400人はいる中で,全国で10名とは制度として成り立っていないと言えるわけです. ではどうしたらいいか. 私の提案は,移植施設がまず最低2名の心臓移植RCoを採用することです. 一方,植込み型補助人工心臓(VAD)の急速普及でVADコーデイネーターでもある人工心臓管理指導士(VAD-Co)制度が始まり,これまで400人近く認定されています. 移植施設とVAD管理施設(40以上ある)でVAD患者( 待機患者)のケアをしているわけです. その中心は臨床工学技士MEですが看護師も149人が認定を取っている現実があります. 即ち,この150人近くの看護師VAD-Coは心臓移植RCoの仕事を現場で支えている実態があるわけです. 心臓移植RCoの認定に高い壁があることから,このVAD Co資格を取った看護師が認定RCo資格を別枠ででも取れるようにする道(認定要件)を作ることも考えるべきでしょう. 仲間を増やす策を考えることを提案しました. これはその後の日本心臓移植研究会でも提案したところです.

 

希少価値も大事であすが,医療では何事もスケールメリットが大事で,そういう意味では慢性心不全看護認定看護師はこれからの心不全ケアに重要な役割を果たすことが期待され、既に限られた施設ですが実働しておられます. しかし,ここでも認定者はこれまで400人を少し超えたくらいでおそらく需要から見て予測の半数にも届いていないのではないかと思います. 実際,近隣の基幹病院でも一人おられたらいい方で,複数の認定者がいる施設はかなり限られているようです. ここでもスケールメリットを生かすまでに至っていないのが現実ではないかと思います. 一方,ここで認定看護師制度に大きな変換期が訪れています. 特定医療行為の研修と合わせた新たな認定看護師制度が日本看護協会から発表されています. より質の高い,治療(キュア)に関われる制度と思われますが,果たして認定者が倍増になるのか. ここでのバリアーは,すでに指摘されているように高額の受講料や認定料が個人負担であることと,数か月以上の研修機関での集合教育であります. その間,休職で参加したとしてもかなりに負担になるわけです. また,資格をとっても個人的なインセンティブはなく,モチベーションも湧いてこないのが現実のように感じられます. ここでもすそ野を広げるにはどうしたらいいか,ポスト(ウイズ)コロナ時代で集合教育をいつまで続けるのか,このタイミングでの関係者の制度改革への決断が問われるのでないか思います.

なお, 既に紹介した心不全療養指導士や既に動いている特別医行為研修修了者との棲み分け、差別化、についても私見を述べましたがここでは割愛します. このような部外者からの放談ともいえる講演となりましたが,どれだけ指導層に声が届くか,さらに現場の看護師や学会執行部がどう感じるか反応を聞きたいと思います.

私の病院での心不全ケアチーム作りの進捗は時々報告をさせていただきますのでご期待?下さい.

 

2020年9月16日水曜日

勤務病院が変わりました  高度医療から地域医療へ

  新型コロナと猛暑で落ち着く暇もなかった夏も終わり,もう9月も半ばに入ってようやく涼しさが感じられるようになりました. しかし,コロナはまだ収束の気配も少なく,ウイズコロナに移行するにはまだ時間がかかりそうです. 一方,政局は姦しく,安倍首相の突然の辞任で新体制,菅総理,に移行しますが,コロナ対応に新たな動きがあるのか気になるところです. 持続型の対策が必要で,保健所業務の整理と強化も今後待たれるところです.

さて,今日は私の近況報告です. 勤務先が変わりました. これまでの宝塚市内の循環器専門病院から, 一転して大阪市内の一般地域病院に移りました. 西成区(メトロの四つ橋線,花園町)で古くからあった救急病院が, 名前が変わって思温病院(しおん)となっています. 西成区は大阪市の南西部で,古い方々には名前的にあまり良いイメージが浮かばないのですが,私自身は中学から大学卒業まで少し南の玉出というところにおりましたので, 違和感はなく,古巣へ戻ったという感じです.

この病院は阪大第一外科の呼吸器外科グループにいた挟間研至君(ファルメデイコ株式会社の社長でもあり, 日本在宅薬学会の創始者,「外科医薬局に帰る」の本人)が5年ほど前に理事長・病院長で参加し,広い人脈の下で頑張っています. 常勤医師も少ないことと,循環器診療も手薄なので, 何か役に立てればと思って自ら飛び込んできました. 年齢的に考えて,体力的にはまだ大丈夫なことと(?), 頭を切り替えるには今しかないと思ったわけです. 将来的には地域医療の現場で心不全ケアのチーム作りが出来ればと考えています. この病院は地域密着型で地域包括ケアと慢性療養病床を持ちながら,これに急性期病棟があり,高齢者も多く,これまでの高度医療や先進医療とは別世界です. まずは循環器外来を始めますが, 一般外来も担当するのでcommon diseaseの対応から勉強し直しです. 浦島太郎かドンキホーテか, と自分でも頭の切り替えが出来ていないところもあります. 心機一転,医師としての出直しみたいなところもあり,毎日が楽しく感じられます. 学会が軒並みWeb開催なので, この仕事場の変化に対応するには時間的余裕ができたのも有難いです.

ということですが,この歳(来月になったら後1年で80の大台)でこんな変身をしたので多くの方々がびっくり,心配?されている状況です. それ見てみろ, と言われないように, 日々新たな気持ちで少しずつ進んでいければと思っています.

病院のHP:  http://www.shion-hp.or.jp/

病院内のポスターを載せます。





2020年8月7日金曜日

心不全療養指導士制度が始まります


コロナ騒動で明け暮れているうちに8月になってしまいました何か書こうと思ってもコロナコロナでは息が詰まりますし我が国の対応を見ていてもいっこうに新しい道を開けずに堂々巡りでほとほとあきれて何か言う気持にもなれませんということで今月が話題を変えてみます. Covid-19で学会が軒並み中止かあってもWeb開催です先般も3月から8月に延期された日本循環器学会総会では幾つか興味あるセッションを聞いた中で一つ紹介したものがありますそれは私が現在取り組もうとしている心不全地域連携であり心不全緩和ケアに関係するものです.

今回紹介したいのは日本循環器学会が中心となって立ち上げようとしている心不全療養指導士制度です一昨年でしたか循環器疾患(脳卒中を含む)対策特別法が成立した後の関係学会としての対応の一つです病院地域在宅における慢性心不全患者への支援をサポートする学会認定制度で多職種連携に加わる新たな資格制度です心不全パンデミック時代において心不全チーム医療を支え増悪と再入院を少なくしQOLの改善を目指すものです. 2021年度から開始するので今年に最初の試験を行うのですがCovid-19の影響でオンラインになったようです.
具体的なことでは医師以外の医療専門職が各々の専門職が持つ専門知識と技術を活用しながら心不全患者への適切な療養指導を行うと謳われています受験資格は看護師保健師理学療法士作業療法士薬剤師管理栄養士臨床工学技士社会福祉士公認心理師歯科衛生士の国家資格を有するというのが資格の基本ですそしてその他の条件には日本循環器学会会員(正会員準会員)で年会費を納めていること現在心不全療養指導に携わっていることなどです. E-Learningでの研修も必要とのことです来年度からどういう方々が資格を取って心不全チーム医療に参加するのか楽しみです.
ということで心不全特に慢性心不全で在宅管理が必要な場面での活躍が期待されると思いますしかしこの玉虫色の制度も実際に根付くにはかなり年月が必要でしょうこれだけ多彩な専門職の参加で一体チームはどうなるのかやはり次はこれらの方々からコーデイネ-ター役が出るのでしょうかまた既に看護師には心不全認定看護師があります心不全ケア領域で看護師に二つの認定資格が混在することになりどう棲み分けるのでしょうかまたこの資格を持った人がチームに加わると診療報酬加算が付くのかも大事なことです心不全ケアチームへの参加する医療職者が増えチーム医療が発展していくでしょうがこのように沢山の課題も見えてきます資格筆記試験を通って認定された方が新たにチームに加わるには時間がかるでしょうし医師側がどれほどその役割を理解し育てていくかが問われます当面は現在動いている心不全ケアチームのなかの専門職者がこの資格を取ることで在宅管理を含め円滑な包括的なケアへと進むステップにはなることが期待されます.
私はこの制度の発展に期待する一人ですが一方で些かあるいは大いに失望したことがありますそれは受験条件のなかにある日本循環器学会会員資格です医師の専門医制度でも学会資格を強要するのは時代遅れであるという指摘が長らくあるなかで実際は学会認定制度が続いています更新要件でもしかりです学会は専門医制度で経済的に潤い勢力を強める構造はポストコロナ時代でも続けるのでしょうかそういうなかで心不全療養指導士制度では真っ向から学会所属(会費納入)を基本条件にしています個人的には大変残に思わざるを得ません一歩下がってスタートは仕方ないとしても, 5年の経過措置とする位の度量はないのでしょうか. E-Learningや教育ツールの使用や試験には自己負担も必要でしょうがこの資格を取れば会費無しで学会に参加出来るようにするとか継続教育に参加出来るかとか天下の日本循環器学会においてこの英断が何故出来なかったのか一度幹部の方に聞いてみたいと思っています.

宝塚地区の心不全地域連携プロジェクトもCovid-19で立ち遅れていますがそろそろ動き出すようですしかし感染者がまだ増え続けている中でどういう動きをするかが現場に問われています停滞をコロナのせいにしてはいけないと思います逆にこの時こそWith Coronaでもって前に進むことが必要と感じています.

2020年6月15日月曜日

 ポストコロナ(With Corona)時代に我が国の医療をどう変革できるか 発想の転換と働き方改革の見直しが必要                           


     

今年に入ってからの中国武漢から始まった新型コロナ感染(Covid-19)のパンデミックは,いまだ世界的には収束の気配もあまり感じられないなか外出禁止措置からの解除が広まってきています. 我が国ではようやく収まりつつあるようですが,クラスターの発生は止まっておらず,個人は感染防御の面でまだまだ注意深い対応が必要でしょう.
最近の新聞の論調ですが,国際経済学者は経済,生活を脅かしていた危機が終息したといえるには3年かかると述べています(毎日新聞520日朝刊).その間,必然的に世界は種々の場面で旧来の考えからの大きな転換が行われるであろうと推測されます.勿論,経済的回復が第一ですが,一方では医療崩壊が生じた医療についてはどうなるのかが我には大きな課題です.ワクチンの開発や感染防御体制の再構築,グルーバルな情報の把握と公開,国際間や種々の格差の問題もあります.わが国ではどうかというと,依然として続く縦割り制度(医療行政)の問題が今回も露呈しています.
さらに,今回の国の危機管理でその弱点が露呈した問題点の多くは既に分かっているにもかかわらず長年改革に手が付けられていなかった医療や医学分野の常識や慣習と思います. これらの検証なしには新たな発展は出てこないと思います. これからどうするか,生活様式をどう変えるか,という視点でいろいろな意見が出てきていますが,思うところを述べさせてもらいます.
なお,ポストコロナというよりウイズコロナ(With Corona)がより適切という風潮ですが,ここでは一応ポストコロナで書いてみます. 改革を実行に移すにはwithです.

病院の機能別に見た集約化
我が国でのCovid-19対応は,基幹病院や大学病院が個々では活躍していますが,一方では民間病院に無理なしわ寄せを強いています.危機発生で高度医療を迅速に集約化できる仕組み造りをどうするか,今回の経験をどう生かすかが問われるでしょう.根強い縦割り行政(厚労省,文科省,地方自治体)の弊害をどうか解消するか,従来から懸案の病院の集約化が改めて問われていると思います.

大学病院の役割
医師不足の中,その役割と効率化を考えた大学病院の在り方を検討する時期であることは明白です.わが国の大学病院の世界から見た多くの不思議の解消はできないでしょうか. 医療収入を上げないと倒れる自転車操業からどう脱皮するのは社会保険制度の問題ですが,中でも問題のある異常に多い外来患者数で. その対応に割かれる医師の負担を大学病院ならではの入院患者診療に向かわせることが今後の改革の出発点と考えます. そこには従来型の数に頼る外来診療は大学病院では不要という発想がまず必要であります.大学病院に若い医師が沢山集まる今の仕組みがいつまで続くのか考えないと進まない話でもあります.

コミュニケーションの効率化
Zoom
といったWebを通した会議が普通になる中で,今回の3密回避を今後も生かすには無駄なことを避ける勇気が必要であります.真っ先に挙げられるのが病棟回診,形式的なカンファではないかでしょうか. 対面での意見交換でしか得られないことをメディア使用カンファや回診にどう盛り込むかが問われます. ハイブリッド方式が進むでしょうが, その中でどう効率的な意見交換と情報共有が出来るか, 医療情報研究の新たな分野になるでしょうし, これから多職種連携をどう進めるかも改めて問われる課題のようです.

資格更新制度をWeb
  この際重要なことは,我々医療従事者が資格(専門医,認定看護師,その他の多くの認定制度)取得における学会やセミナー参加のクレジット制度です. ある学会の年一度の総会には専門医を継続する殆どの会員(多くは勤務医)が強制的に集められます. 2-3時間のセッションの受講証明,学会の参加証明(参加証)が必要だからです. この間,ある特定の専門医(集団)が医療現場からいなくなる社会問題です. この際,この制度こそ改定しないと,というか改定せざるを得ないと思います. 看護の認定看護師制度での6ヵ月の教育施設での研修(座学がメイン)がこれからどうなるか,非常に興味あるところです. 本職の施設から半年間の休職(以前は退職)をもらって,東京等に出かける制度です. これを如何にオンライン化することが関係者の責任でしょう. 米国の認定制度(特に更新)は広き国ですから当然オンラインです. 日本でもそうすることで病院を一斉に休むこともなく休職しないで済むのでは思います. 大きな発想の転換がいるでしょう. リーダーは英断をして欲しいと思います. 学会等の資金集めについてもポストコロナをどうするか,先駆的な取り組みをする学会が現れることを願っています. これまで当然と持っていたいろいろな無駄なことを,この際省こうではないですか.

働き方改革
このテーマが最も大事であり,上記の問題の根底にあると言ってもいいでしょう. 医師で言うと勤務時間の縛りでもってこれを進めるというこれまでのやり方はポストコロナでは通用しないということをまず理解すべきです. 早急な見直しが必要です. 勤務時間を設定することは大事ですが,その目標を達成するためにいかに専門職者の技能を最大限に活用するかが問われています. 産業界ではロボットの参入が出来ますが, 医療界でも当然その道も探るべきです. 今回の対コロナ対応で医療従事者の活動でどういう無駄があったのか,改善できるとことは何か,まずここの整理が不可欠です. そしてそのためにはどうする,ロボット技術は当然ですが,IT技術を更に活用して,医療者の現場での対面的ケアを効率化するか,これまでの研究や技術開発をさらに発展させる時期と思います. 国の研究費補助もこのテーマをしっかり取り入れて欲しいと思います.
この問題は今回の医療危機管理で明らかなように,医師だけでなく殆どの医療従事者に及ぶ問題で,人材不足や機器不足,社会の理解,医療保険制度など,多岐にわたる課題が浮き彫りになっています. 医療者の働き改革はポストコロナの最重要課題ではないでしょうか. ここにはかなりの経済的支援がないと進まないでしょうが,今回の緊急補正予算でどうなっているか,先進的医療機器だけではなく介護まで含めた現場での検証が必要です.

医療とレジリエンス
最近レジリエンスという言葉が注目されていて,特に経済活動を含めた世界的な議論の中で用いられています. 復元力とも言われていますが,NHKでも紹介されています. https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200605/k10012457941000.html
この言葉は医療現場の危機管理において言及されるようになっています. 今医療者は,この復元力を平時から如何に維持させるか,またまだ混乱が続く現場での目の前の対応において共通言語的な意味で浸透していくのでは思います. ただ,言葉だけがひとり歩きしては意味が無いので,そこには何が込められているか個々,あるいはグループ,が判断する必要があると思います.
大阪大学附属病院の中島和江教授の言葉で置き換えると, 危機管理において「システム思考で洞察する」「必要な時に境界を越えて協同する」「新たなつながりや価値を創る」「つながりを科学する」という4つのキーワードが提唱されています。ポストコロナでの医療者が持つべき指針であって, 医療システム改革におけるキーワードでもあるでしょう.

以上,ポストコロナ時代において生活様式改革だけでなく,医療の分野での旧態依然とした制度や考え方から脱皮する道を探る絶好の機会ではないでしょうか. まずは新型コロナ危機が過ぎても医療危機(崩壊)は残った,とならないように願いっています.

With Corona時代を乗り切るには,まずは発想の転換とそれを実行に移す復元力の維持が大事と思います. 危機をチャンス, です. この絶好の時期を逃さない, がポストコロナの合い言葉では.
 (注:この原稿の一部は同門の外科学講座の年報にも書いています.

追加:ポストコロナ時代の働き改革については、東邦大名誉教授 小山 信彌教授の記事を紹介します.