2013年9月22日日曜日

熊本城で中秋の名月鑑賞


ご無沙汰しておりますが、早いもので明日はもう秋分の日です。2週間ほど何とはなしに過ぎてしまったようです。今年は秋の訪れが遅く、まだ結構暑い日が続いています。先週は台風18号が関西にも襲ってきて、京都の桂川の氾濫で嵐山の観光地が水に浸かったり、大雨の被害が各地で発生しています。さらに突風や竜巻などもありました。これまでに経験したことのない大雨といった異常気象警報が少なくありません。昨年、台風21号が和歌山県に甚大な被害をもたらしたのも9月上旬であったと思います。学長ブログに書いたことを思い出しますが、自分が小学校のころには二百十日、91日だったと思いますが、台風シーズでその備えを学校で聞いたことを覚えています。最近は台風も8月中か9月中旬に多いのか、二百十日という言葉は耳にしなくなったようです。今日はまたも3連休の中日ですが、昼間は夏日の様な暑さで、秋の気配はまだまだ感じられません。

とはいえ、先日15日は彼岸の入り、15夜で、熊本城の中で素晴らしい中秋の名月を拝むことが出来ました。日本列島が好天に恵まれ、各地で楽しいお月見ができたのでは思いますが、私は熊本で楽しみました。日本心臓病学会の前夜祭が日が暮れてから熊本城の歴史ある広場、奉行丸広場、で行われました。ライトアップされたお城と名月のコンビネーションが素晴らしかったです。ところで中秋の名月が満月となるのは次回は8年後らしいです。

心臓病学会は心臓内科のドクターや看護師、リハ、超音波検査、などの多職種が集まる学会で、心音図や地超音波診断がメインでしたが、今は広く臨床心臓病に関した現場からの発表や教育講演が多くみられます。Clinical Cardiologyという英文名からもその趣旨が分かります。私は特に約はなかったのですが、数年ぶりに出かけてきました。外科医は少なく、セッションも限られていましたが、心臓移植や補助心臓の特別セッションもあり、また最近注目のカテーテルで大動脈弁を治療する方法のパネルもあったりして、1日半しかいませんでしたが、それなりに楽しんできました。

今日紹介するのは、TAVI とかTAVRと言われる経カテーテル大動脈弁植え込みや置換術です。心臓手術、特に心臓の中の弁を変えたり修復する手術は、人工心肺を使ったり、心臓を止めたり、と多くは侵襲的であり、合併所も少なくないところから、最近は低侵襲アプローチが進んでいます。高齢者や透析患者さんでは心臓の出口にある大動脈弁が石灰化で狭くなり、心不全や突然死をきたします。最近は高齢者でこの病気が見つかることが多いのですが、80歳や90歳となると手術の危険率は高くなります。こういうなかで、胸を開かないで、大腿部や小さな傷で、カテーテルで治す方法が登場し、欧州では大変ない勢いで広まっています。既に7000例*に行われたとも言われています。これはカテーテル(シース)の中に萎めて入れられるステント付の生体弁があって、カテーテルを大動脈弁まで進めてそこで元の狭い弁を風船で広げ、その後に新しい弁をカテーテル(シース)から押し出して置いてくる、というものです。レントゲンの透視下に行います。ハイブリッド手術室という数億円もする設備と場所が要ります。カテーテル技術やいざという時には外科手術に切りかえられるような体制も要りますし、講習を受けた施設と医師でないと出来ないようになっています。何処でもできるものではないのですが、この秋から保険償還されるとのことですから、次第に広まっていくでしょう。

今日の紹介は実はこれからが大事なのですが、長くなってきたので簡単にします。このカテーテルによる大動脈弁置換は大変魅力的で高齢者で手術が困難な方にはいい方法でしょうが、今回の発表で分かったのは結構厳しい合併症があるという事です。高齢者やハイリスクで片づけられないものであるという印象です。大動脈弁を無理に広げることから、外に石灰化した塊が飛び出したり、冠動脈口を塞いだり、出血や緊急に外科手術が必要であったり、10%にはペースメーカーが必要になるなどです。それより、結構な頻度で植えた弁の周りの漏れがあることです。外科手術では到底ほっておけないものが、まあこれくらいなら耐えられるか、という不完全な状態で終わっているケースが結構あるようでした。

長年にわたり外科手術で大動脈弁を手術してきたものとして、大歓迎とは言えないし、低侵襲といえかえってリスクが高くなるのではと、思ったりして帰ってきました。一方では、補助人工心臓は移植適応でない高齢者にも適応するのか、という話題も別のところでありました。補助人工心臓も緩和医療と重なってくる、という話題もありました。心臓病でも高齢者をどうするかがこれからの大きな課題のようでした。
余り推敲できていない荒い内容ですが、お許し下さい.

 下の絵はTAVIのシェーマです。Webからのものです。風船で膨らませた状態の絵で、これから風船を萎ませてカテーテルを抜いてきます。右は左室心尖からの方法。
 * 70,000例でした。




月の写真はぶれていますが、雰囲気だけでも。

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