2013年12月20日金曜日

第三者機関


 最近、第三者機関という言葉がしばしば新聞紙上に出てくる。スポーツでの暴力的指導の問題や学術研究での不正防止などが話題になった。直近では、先般の国家で紛糾した特別秘密保護法に関して出てきている。国会や官僚が暴走しないようにお目付け役をおいて客観性を保つ、安倍首相が後付けのように出してきているようだ。その他、医療に関することでは、医療事故調と最近の専門制度改革である。医療事故の第三者的調査機関の必要性は日本外科学会が音頭をとって10年以上前に提案し、その後、国がこれを受け継いで行った経緯がある。自民党時代に出たものが、民主党政権になって内容の修正があり、それに医療界からの反発があって今まだ店晒し状態となっている。そのうち国会で法案がでることになっているが、医療事故の第三者機関は立ち上がっていない。

第三者機関とは、当事者の利害関係の外にあって、客観的に(第三者的)に物事を公平校生に判断して、適切な対応をする役割がある。しかし、この第三者機関は現実にはなかなか曲者であり、お題目どおりには行かないことも多い。というのは、医療事故でもそうであるが、全くの部外者だけでは対応出来ないのが現実であり、何らかのその分野の関係者の代表が入ってこないとことは進まない。医療には不確定要素があり、不測の事態も発生するから、全くの第三者だけでは対応できない。その分野の専門家がはいってうえで、客観的な判断をすることで役割が果たせるものである。

もう一つの第三者機関は、専門医制度での話である。これまでも概要は紹介しているが、従来の専門医制度ではその領域の学会が自分たちで基準を決めてその上で認定していた。そこを取り仕切っていたのが社団法人日本専門医評価・認定機構である。この機構は当事者である学会の集まりであって、そこが物事を決めて専門医を認定しているので社会的に評価されないのでは、となってきた。そこで、新たな仕組みが作られつつあるが、今までの機構は解散し、新たに第三者機関を作り、そこが管轄する、ということがこの4月の厚労省からの専門医の在り方の基本として出された。

現在、専門医制度の第三者機関の立ち上げの準備委員会が動き出していて、金澤一郎先生が委員長である。その案を見ると、名称は日本専門医機構(仮称)となっていて、議決権のある構成員(社員)には日本医学会と日本医師会、四病院団体協議会、全国医学部長病院長会議、日本専門医制度評価・認定機構5団体が挙げられている。これまでの機構の役割的な継続はなんとか繋がるようだが、そもそも今のこの機構は解散することになっているからここがどうなるのか。それにしううても新たな第三者機関は何とも頭でっかちで、どう動くのが見えてこない。実際の管理運営や付帯的な作業は各学会がやらないとだれもしてくれないのである。上記の社員の組織からはお金も出ないし人も出ない。第三者という葵の御紋のシンボル的な役割に見える。では誰が実際担当するのか。先般の今の機構の社員総会では、この新たな組織案について侃々諤々の議論,というか手厳しい質問がでた。学会のまとめ役である今の機構を残して新たな組織に入らないと何も出来ないのでは、なぜ遠慮しているのか、という意見である。

学会主体の構造が悪い(語弊があるが)とされたのは、専門医認定基準や研修施設認定で,制度間の基準の標準化が出来ていなかったことと、外部調査(ピアレビュー)制度がなかったことに集約されると思っている。今、第三者機関と言ってもそれをやってくれる実働の第三者は誰もいないし、肝心のお金もない(米国は保健機構がレジデントのサラリーを出している)。学会などの当事者が運営する見かけだけの第三者機関でもこまるが、私は上記の標準化とピアレビュー制度を組見込めば、今の機構の主要部分が入って主体的に動いても対社会的に十分納得してもらえると信じている。

専門制度改革においても、第三者というイルージョンに惑わされるのではなく、本質は何かを良くわきまえての制度改革が必要である。そうでないとこれまでの長年の関係者の努力が報われないし、う危険があると思う。専門医制度が変わろうとしているなかで、第三者機関の内容が少しずつ見てきているが、要フォローである。