2014年2月8日土曜日

大寒波

       今朝は全国的に大寒波襲来で、関西もうっすらと雪化粧のようです。でも、こちらは先程から雨に変わっています。いっそのこと、雪になってくれるほうが何か楽しいのですが。 実は、今日から長野行きなので新幹線がどうなるか気がかりです。長野の行き先は白馬の北側、栂池高原です。当然ながらスキーなのですが、阪大の体育会スキー部には同窓会に今は60歳から70歳くらいになった年代が集まる会がって、その卒後?40周年記念会です。学生時代に合宿をしていた栂池で再会、という話です。私はそのグループのまたOBですが厚かましく参加します。アルペンとクロスカントリーのタイムレースも企画されています。雪はもう降らなくていいですが、天気になって青空の下で昔を懐かしみたいと願っています。

  前回の話の中で
STAT細胞のこと触れましたが、最初SMAP細胞と書く情けない間違いをしました。特に意味はなく何とはなしの話です。さて、理化学研究所小保方晴子博士(新聞ではさんですね)がマウスの細胞ですが周りの刺激だけで万能細胞ができたという、大発見(発明?)でした。Nature 誌に発表されるものが全て同じ扱いにはならないなかでどういう意義があったのか。勿論、それ自体が衝撃的であり、常識はずれであったわけですが、ニュースバリューを高めたのは、iPS細胞の向こうを張る、あるいは否定するかもしれない大きな可能性があることでしょう。ただ今回は、それ以外に主役が医学者ではなく化学系の若い魅力的な女性で、博士をとって3年目、ということが大きかったようです。マスコミも理系の女性研究員、リケジョ、を盛り上げています。研究現場で頑張っている女性研究員への応援にもなっていて、今年の入試や理系学部の卒業生の行き先にいい影響が出ればいいと思います。医学生理学の分野に化学系(工学系)が堂々と入って成果を上げたことも大きいと思います。昨晩のTVの番組で、指導に当たった東京女子医大の岡野教授(工学博士で再生医療のリーダー)もおっしゃっていましたが、分野の融合の妙というか大事さを示した功績は大きいでしょう。

ではNatureの論文を見てみますと、

Stimulus-triggered fate conversion of somatic cells into pluripotency.


Nature Volume: 505,641–647 (30 January 2014) Pages:
  

  ということで、小保方博士が筆頭著者で、ハーバード大学とブリガム・ウイメン病院(バカンティ先生所属)と神戸の理研、東京女子医大、山梨大、です。連絡( 責任)研究者(corresponding author)は小保方博士とCAバカンティ先生の2名で、投稿は10 March 2013 で アクセプトが 20 December 2013 , 9ヶ月ほどかかっており、オンラインでは29 January 2014公表、となったものです。ですから、アクセプトから世に公表まで1ヶ月ほどたっていいます。 

バカンティ先生は麻酔科の医師で組織工学(テイッシュエンジニアリング)のオーソリティ、バカンティの耳(マウスの背中にヒトの耳介が乗っているもの)で有名な方です。日本の心臓外科の若手も沢山勉強に行っています。という研究室ですから、ハーバードのグループはMITと連携するなど工学系と密接に連携している強力な背景があります。そこで、この研究は既に長く続けられていて、小保方さんはそこでこれまで持っていたアイデアで成果を上げたということでしょう。素晴らしいことです。なお、バカンティ先生がSTAP細胞の将来について別の幹細胞の雑誌でのインタビューもありました。英語ですが紹介しておきます。

http://www.ipscell.com/2014/02/interview-with-charles-vacanti-on-stap-cells-link-to-spore-stem-cells-more/ です。

さて、特許は昨年に既に出願されています。やはりやることが凄いですね。

GENERATING PLURIPOTENT CELLS DE NOVO  

発明者: VACANTI CHARLES A [US]; VACANTI MARTIN P [US]; KOJIMA KOJI [US]; OBOKATA HARUKO [JP]; WAKAYAMA TERUHIKO [JP]; SASAI YOSHIKI [JP]; YAMATO MASAYUKI [JP]

出願人 BRIGHAM & WOMENS HOSPITAL [US]; RIKEN [JP]; UNIV TOKYO WOMENS MEDICAL [JP]


 今日はやつけですが
STAP細胞の登場の側面的なことを書かせてもらいました。人での可能性とかその役割とか取りざたされていますが、その後のニュースでも分かるように、ハーバードでは実際は既にかなり先まで見越した研究がかなり進展しています。発表の後でほかの研究者がちょっとやそっとでは追いつけないくらい先を行っているようです。神戸からまたまた凄い研究が出たことは同じ島(ポートアイランドです)の人間として嬉しい限りです。 割烹着の似合う小保方博士にエールを送ってここは終わります。 大雪で交通の大混乱が起こらないように願っています。
追伸. 新幹線、しなので、何とか松本までたどり着いたのですが、大糸線が動いてなくて松本で足留めになりました。9日は大丈夫で今から大糸線に乗ります。 

追伸2 その後は順調で、快晴のもとでOB会も無事終了。 写真は帰りに撮った白馬連峰です。2月でこんなに山がよく見えるのは珍しいということでした。青と白のコントラストが素晴らしかったです。

 


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