2017年1月24日火曜日

論点整理とは


 論点整理という言葉が新聞紙上やニュースで盛んに出てきています。天皇陛下の譲位に関する「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」が先日これまでの議論を纏めて公表していますが、その纏めが、論点整理、となっています。新聞の第一面にこの言葉が出て来ること自体非常に珍しいのですが、このブログも副題が「論点整理から課題解決」としていることから、この論点整理について少し書いてみようと思い立った次第です。

このブログで使っている意味は、種々の課題がある中でこれを解決しようとするときは、まず何が問題か、その背景はどうなっているのか、どういう解決策が考えられるか、等を分析しないと先に進めないからです。しかし、この論点整理が我々の周囲で充分出来ていないことが多いのです。この分析をしっかり行わないと、解決出来ず、間違った方向に行ってしまう危険がある訳です。この論点整理を習慣にすることが必要と思います。論点整理に少し拘っているのですが、論文を書く時もこれが当然必要で、医療の場でもこれを普段から使うことを習慣づけることが大事と思ってあえてこの副題としています。

さて、今度の天皇陛下の譲位では、論点整理が出て一応有識者会議の仕事は終わるようです。勿論、この後はお役人が進めるのではなく、国民の意見を聞いたり、国会で議論したりするので、正に論点整理、です。それ以上でもそれ以下でもないということです。一方、行政機関の各種委員会で新たな問題に対応するときに、議論がある程度出た段階で、それでは論点整理に移ります、ということになります。そして出て来たものは、確かに意見が併記され、種々の課題が羅列されているのですが、どうも何か方向性が見え隠れする訳です。後はどうなるのか、ということですが、お役所はその時点でもう後の筋書きを作っていることが多く、後はそれにそって粛々とことが進んで行きます。

 今回の論点整理は私ごときがコメントするのはおこがましい限りですが、有識者会議の委員長も自負しておられるように、実によくできた、素晴らしいものです。まさに論点整理で、考えられる論点が網羅され、抜けもなく余分もないものです。方向性も結論も書かれていません。官邸や政府の意向が出てくるようでは大変なことになるのですが、マスコミや野党はその思惑が背景にあるのでは、と追及しています。それにはそれなりの理由があるのではと思います。というのは、これまでの国の決め方では論点整理と言いながら結論ありきのことが多いからではないでしょうか。

私が加わった委員会でも論点整理を進める段階で、後ろにいるお役人の意向が何となく出てきていて、最後は何のための議論であったのかと思うほどお役人好みの結論が出て来る訳です。議長かどうかは別として、そこに所謂、御用学者と言われる方の存在があるように思ったりします。先にシナリオがあり、結論ありきのなかで、手順上いろいろな意見を聞いたことにしておいて、あらかじめ決めていた方へ向かう、ということがないとは言えないと思います。貴重な時間とお金が無駄に使われていないか、疑わしくなります。
 
医療現場ですが、論点整理だけではまだ道半ばです。課題解決へのステップなので、行政(お役所)と医療現場(患者さん相手)では論点整理の意味が違うということかもしれません。皆様の場合の論点整理はどちらでしょうか。課題解決に力を置くか(医療、科学)、考え方(プロセス)に重きを置くか(行政など)、の違いかもしれません。

こんな次元の低い話を天皇陛下の譲位の論点整理にぶつけること自体、不謹慎かもしれませんが、論点整理という言葉の使い方についての、論点整理(課題解決なし)になったのか疑わしいです。