2017年8月31日木曜日

8月のまとめ

今日で8月も終わりです。昨日から急に風が涼しくなり、秋の気配を感じつつ、とにかく暑かったこの夏ともお別れです。夏休み(リハビリ)モードから仕事モードへ復帰、明日から東京、その後は北海道シリーズで、前半は旭川、後半は札幌と続きます。旭川は日本移植学会で、特に役割はないのですが、法制定20周年の記念の年ですので、それなりの期待を持って出かけます。また、成人先天性心疾患学会の専門医制度構築の準備会が途中で東京であります。制度のたたき台をこの夏に頑張って作ったので、学会の役員の方に揉んでもらう予定です。混乱している専門医制度のなかで、いいものが出来ればと思っています。
さて、8月の出来ごとでいうと、前回紹介した、1941、決意なき開戦、はやっと完読。無理な戦争に走った日本の指導者の1年間の議事録を振り返って見て、なぜこの国は無謀な勝ち目のない戦争走ったのか考えさせられ、ついでに来栖三郎の「泡沫の三十五年」、も読み始めています。昨日、北朝鮮のミサイルが北海道の上を通り過ぎ太平洋に落下したニュースは、戦争時代に入いるのか、と思わざるを得ません。北朝鮮への圧力強化がどういう結果になるのか、中国、ロシア、米国、の思惑は、など今の北朝鮮と太平洋戦争前の日本とが何かする通じる所があるような感じを持つのは上記の日本開戦史の読みすぎでしょうか。歴史は繰り返す、にならないように願うばかりです。
もう一つの報告は、臓器移植関係です。臓器移植法制定20周年記念の節目に、何か現状を改善させる策はないか、何か後押しできない、ということから、兵庫県の行政への要望書を、臓器移植関連の団体から出しています。6月末に提出したものですが、8月に入って少し動きがあったので紹介します。団体とは、主に腎移植の関係の方々が作っている兵庫県臓器移植推進協議会で、私は役員の一人になっています。市民公開講座の後に、県下での臓器移植の啓発推進のために、課題を絞って行政に要望書を出すことになりました。論点というか要点は、ドナーコーデイネーター、特に院内コーデイネーターの専従を県下の病院に置いてください、というものです。提供病院の負担軽減策の要といえる院内ドナーコーデネーター制度の充実でもって、臓器提供が少しでも増えてほしい、というものです。
少し複雑ですが、臓器提供をサポートするドナーコーデイネーターには、法律の下での臓器の斡旋業務が出来る社団法人臓器移植ネットワークの専従コーデイネーター(中央勤務)、それを支える都道府県に一人は配置しようとしている都道府県コーデイネーターがあり、中央と地方の連携を両者がしています。しかし、都道府県コーデイネーターは国の予算はなく(かってあったのですが)、都道府県とどこかの救急病院が折半している(兵庫県は)状況です。これがない都道府県もあるようです。このシステムに対して、臓器提供病院内でサポートするのが院内ドナーコーデイネーターで、各病院での臓器提供があった時の支援体制つくりには大事ですが、臓器提供の可能性のある場合の家族への対応や医師の支援という、臓器提供予備患者さんからの提供へ進めるという役割は難しいのが現状。職種では看護師さんが多いのですが、殆どが本職(病棟業務など)との兼務であり、コーデイネーター専従はまず病院の体制上難しいのです。ここをどう乗り切るのか、行政に考えてほしい、というのが要望書の趣旨でもあります。
ということで、兵庫県と神戸市に要望書を出し、そして提供病院を訪問してきました。人員配置増は予算の関係で行政側は先ずできない、という話でしたが、何とか道を作れないか、ということで検討してもらえるようです。しかし、問題点も明らかになってきました。それは、院内ドナーコーデイネーター自体の資格認定制度はなく、都道府県が病院からの申請に対し委嘱しているに過ぎないのです。コーデイネーター自身が何か動ける、インフォームドコンセントに参加する、といったことは出来ないわけです。さらに、都道府県コーデイネーターとの連携もそういう背景で、臓器提供支援での連携は実際は出来ていないのではと思われます。
勿論、資格がないからと言っても全国で何百人が院内コーデイネーターとして行政が把握しているのですから、その活用をもっと真剣に考えるべきです。そういう意味で要望書にも書いたように、重点的配置、中核的提供病院での専従者の配置、が大事であり、このことを強調してお願いして来ました。
ということで、来月には日本移植学会もありますが、このドナーコーデイネーターの資格認定制度を救急医学会と連携して構築するのが学会の役割ではないかと考えます。そこの所を抑えないでこれまで来てしまっているのが何とも歯がゆい感じです。ただ、ドナー側のこと、臓器提供のこと、に移植側が口出すことは本来控えるべきという背景があることも事実でしょう。しかし、移植側が待機患者さんのことを慮って意見を言い、制度を作ることに力を貸すことも大事であると思います。20周年のこの時に特に感じることであります。兵庫県と神戸市の対応は何かあれば追って報告します。
ということで、8月シリーズは終了します。皆さん、暑い中、独りよがりの話にお付き合いくださり有難うございました。

写真は、要望書につて神戸新聞が記事にしてくれたものです。